私の住む山形村は、石造文化財《道祖神》の宝庫です。
それぞれの地区に特徴ある《道祖神》が奉られていますので、順次ご紹介をしていきたいと思います。
まずこちらは、上竹田地区の建部神社に奉られている『路傍の情熱B』という名の道祖神です。
写真向かって左端の三角形の道祖神です。記碑名は安政2年(1855年)8月の古い道祖神です。
男神が女神をぐっと引き寄せている様は、まさに“情熱的”な演技をして悪人や疫病を追い払おうとする姿に見えます。
実際、昔は、地域の子どもたちが酒を供え、赤灯篭を張り巡らし、たき火をし、通行人に御神酒を捧げ、賽銭のお祝いを受ける風習があったそうで、疱瘡に罹れば軽く済むように祈願したと文献に記されていました。
写真向かって右端の道祖神は、『童顔』という名がついています。
見るからに仲のいい二人の子どもが手をつないで、つつましく道端に立っている様子で、道に迷った子どもを守っているとされています。
記碑名は記されていませんが、その昔は、若い男衆の力比べに使われ、境内の外回りをかつぎまわされたりしたそうです。
続いてこちらは、下大池地区の『筒井筒C』という名の道祖神です。
高さ120㎝巾63㎝のかなり大きい道祖神で、海外へ紹介された道祖神としては初めてのものといわれている、山形村を代表する立派な道祖神です。
記碑名は寛政(1789年~1801年)でやはり古く、男神女神ともややうつむき加減のところが、若々しさと初々しさを感じさせる人間的な道祖神です。
道祖神の歴史は古く、山形村にはまだまだ他地区にも特徴のある道祖神が数多くありますので順次ご紹介しますが、気になった方はこちらをご覧の上、山形村へ足を運んでください。
松本地域にさりげなく奉られている道祖神ですが、散歩途中にでもお気づきになりましたら、そぉーっと手を合わせてみてもよいかもしれません。
※参考文献として、山形村教育委員会編纂「山形村文化財調査資料」より情報提供いただきました。
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