2013.05.23 [■四季彩だより~信濃の国から~]
<VOL.229>四季彩だより~信濃の国から~
まだまだ5月だというのに、全国各地で30℃を超える真夏日になって・・・
長野でも、もう夏そのものという日が続くようになりました。
どうなっているんでしょうね!?
さて、今回はそんな暑さの中、涼しげな風景の紹介です。
(自然の彫刻美)
今回紹介するのは、長野県木曽郡上松町にある景勝地「寝覚の床」です。
寝覚の床は、古くから木曽路の景勝地として知られ、「木曽八景」(徳音寺の晩鐘・駒ヶ岳の夕照・御嶽の暮雪・桟の朝霧・寝覚の夜雨・風越の晴嵐・小野の瀑布・与川の秋月)の中でも最も有名で、多くの観光客が今でも足を運んでいます。
また、長野県歌「信濃の国」の4番にも「♪~旅のやどりの寝覚の床~♪」と歌われているなど、長野県を代表する景勝地としても有名です。
(上からの眺め)
巨大な花崗岩(かこうがん)が、木曽川の激流に浸食されてできた“自然の彫刻”で、大正12(1923)年に国の名勝史跡天然記念物に指定されました。
現在の姿は、水力発電のために上流に設けられたダムなどにより水位が下がったために現れたもので、花崗岩の白と川面のエメラルドグリーンが絶妙な色彩を醸し出し、見る者を幻想的な世界に引き込んでいきます。
その光景は、木曽川沿いを走るJR中央西線の列車の車窓からも眺めることができ、特急「しなの」では、車掌が近くを通過する際にアナウンスをしてくれます。
さて、なんでここを寝覚の床というのかご存知ですか?
実は、あの“浦島太郎”に関係しているのだそうです・・・!!
こんな伝説が伝わっています。
・・・浦島太郎が海底の竜宮城から故郷に帰ってみると、まわりの風景はすっかり変わり、誰一人知っている人もいなかったため、旅に出ることにしました。
旅の途中で、美しい風景と竜宮城に似ていた寝覚の床にたどり着き、竜宮城でもらった万宝神書で長寿の薬を作り、趣味の釣りをして暮らしていましたが、ある日ふと、もらった玉手箱を思い出し開けたところ、玉手箱から煙がたちこめ、姿見の池で自分の姿を見てみると、そこには300歳の白髪の翁になってしまった姿が・・・
浦島太郎は、今までの出来事がまるで「夢」であったように思え、目が覚めた思いをしたそうです。このことから、この地を“寝覚の床”と呼ぶようになったということです。
(竜宮城の面影が・・・)
周囲は公園として、また、寝覚の床の岩上へ至る遊歩道も整備されているため、床岩の上まで歩いていくことができます。(※)
※ 6月30日(予定)までは、治山工事の関係で遊歩道は通行止めとなっています。美術公園やドライブイン、臨川寺からの展望には支障はありません。詳しくは、上松町観光協会へお問い合わせください。
季節は、これから徐々に初夏から夏本番に向かっていきます。
ひと時の涼を求めに、岩肌の白と川面のエメラルドグリーンが織りなす“竜宮城の世界”へあなたも迷い込んでみてはどうですか?
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