2011.05.12 [コラム]
Vol134■初夏の信州、和の心で花を巡る
信州では、もう桜の季節は過ぎてしまいましたが、これから梅雨にかけて、美しく咲き誇る様々な花を楽しむことができます。
今回は、初夏の信州の“花巡りおすすめスポット”をご紹介しましょう。
「豊丘しゃくやく園」では中央アルプスを臨む高台に直径10cm を超える大輪の花が咲き誇る。
■芍薬(シャクヤク)
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」…。
美しい女性の立ち姿を、芍薬の細い幹に大きな花が凛と咲く様にたとえてこんな言葉で表現するように、芍薬は古くから日本人に愛され親しまれてきた花の一つです。
江戸時代には「茶花」として鑑賞されることも多く、品種改良が重ねられてきました。
この芍薬の花を存分に楽しめるのが、長野県の南部に位置する豊丘村の「豊丘しゃくやく園」。広さ約3000平方メートルの農園では、ちょうど今頃から80種類6000株が開花し始め、5月20日~30日頃、見ごろを迎えます。ピンクや赤、黄、ふじ色など、陽だまりに咲く色とりどりの大輪の花は、本当に美しく見事ですよ。
■睡蓮(スイレン)
睡蓮の花が開いているのは15時頃までなので注意を。
この花は、昼間開いて夜には閉じるという特性があり、まるで睡眠をとっているかのようだということからこの名がついたそうです。蓮(ハス)とよく似ていて、一目見ただけでは区別しにくいんですが、水面に浮くように咲くのが睡蓮で、水面から高く花柄が伸びて咲くのが蓮だと覚えておけばまず間違いありません。
信州で睡蓮の名所といえば、県の中部に位置する富士見町の「井戸尻(いどじり)遺跡公園」。
園内には縄文時代の復元家屋や水車小屋もあり、遠くには富士山も望めるという絶好のロケーションです。周辺には清らかな井戸尻湧水群もあり、植栽田には睡蓮だけではなく、古代蓮などが見事な花をつけます。5月下旬から9月上旬まで長期間花を楽しめるのも嬉しいですね。
■菖蒲(アヤメ)
「何れ菖蒲(アヤメ)か杜若(カキツバタ)」…。
どれも美しくて甲乙つけがたいという意味の慣用句としてよく知られていますよね。
「菖蒲」と書いて「アヤメ」と読むのは当て読みで、本来の菖蒲(ショウブ)は全く別の種類のサトイモ科の植物なんだそうですよ。
信州のアヤメの名所といえば、県の中央部に位置する安曇野市の「龍門渕(りゅうもんぶち)公園・あやめ公園」。隣接しあう両公園には、あわせて70種5万株ものアヤメが花を咲かせます。5月下旬から咲き始め、薄紫や白や黄色の花をつけた清楚な姿が訪れる人の心を和ませてくれます。
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