2025.03.05 [ 歴史・祭り・ひと ]
“一生物の工芸品”~野原工芸の木軸筆記具~
総務管理・環境課のとうふです。
本日は、国の伝統的工芸品にも指定されている「南木曽ろくろ細工」の技術を活かした高品質の木軸ボールペン・シャープペンシルが人気を博す、「野原工芸」さんをご紹介します。
※野原工芸の店舗は「完全予約制」です。
お店に入るには、抽選に応募し、予約枠を獲得する必要があります。
詳しくは、野原工芸WEBサイトをご覧ください。
ある雪の日、野原工芸の店舗を訪れました。
抽選の倍率は決して低くないというこのお店に訪れることができる貴重な機会に胸が高鳴ります。
いざ入店。
店舗に入ると、真っ先に目に飛び込んでくるのは丸いテーブルに並べられたたくさんのペン。
野原工芸で作成している、太さや構造が異なる3種のボールペン、そしてシャープペンシルです。
並んでいる樹種も豊富で、一つ一つ、色や木目、硬さ、触り心地など、性格が異なります。
すべて握って感触を試すことができるほか、試し書き用のペンも何本か用意されています。
30gを超えるずっしりとしたペンは重厚感のある書き心地で、自ずと筆運びが少し丁寧になります。
軸は想像よりも凹凸のない、ツルツルとした触り心地。とはいえ手が滑る感覚はなく、太めの軸や少し膨らみのある曲線的なペンの形状も相まってしっかりと握ることができます。
木軸ペンの温かみや、手作業による繊細な加工が生み出す使い勝手の良さを確かに感じました。
ところで、販売されているペンの軸はこれだけではありません。
店員さんに尋ねると、テーブルには並べられていない軸、さらに店頭限定品や個性的な木目をした品まで、続々と登場します。
「これ、昨日出来立ての軸なんですけど…」と紹介されるものも。その日どんな木があるかは事前にはわからないそうで、まさに一期一会です。
これほどの種類があるともはや一人では選べませんが、店員さんが樹種、特徴、縁起、物によっては産地の情報まで、とても詳しく教えてくださいます。
しかも説明は驚くほどスムーズ。情報量と説明の滑らかさには驚くばかりです。
予約の枠は2時間。2時間もあったはずなのですが、一瞬で時間が過ぎていきました。
丁寧に製作された、美しく、個性豊かな木軸の中から、自分の“一生物”や、大切な人への贈り物としての一本を選ぶ。
それは、時間がいくらあっても足りません。
私も悩んだ末、最後は自分の直感的な「欲しい」気持ちに忠実に、ボールペンを購入しました。
正直、末永く保存しておきたいという気持ちもあるのですが、筆記具は使ってこそ。
木軸ペンなので、使うほどに味も出ることでしょう。
大切に使いながら、自分だけのペンにしていきたいと思います。
改めて、野原工芸の店舗は「完全予約制」です。
興味を持たれた方は、ぜひ一度抽選ハガキを出してみてはいかがでしょうか。
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