そんな「生き物の不思議さ」が今回のお題です。
　まだ養蚕には時期が少々早いのですが、「生き物の不思議さ」を井月さんの非凡な感性が捕えています。

　以下、この句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力　その俳句鑑賞」（ほおずき書籍）から引用させていただくと・・・、

　蚕は、元気で桑を食い成長してきたのが急に動かなくなり、一日ほど休眠。やがて起きて活動を始め、数日経つとまた休眠。これを四回繰り返す。甲殻類・昆虫類は堅い体表で、生長につれて今までの表皮を脱ぎ捨てる。
　次の生長のため脱皮中の蚕はさぞ苦痛に耐えていることであろう。声を出せるものなら叫びもしようが。蚕にとっての大仕事を認識する井月。
　　（蚕・春）

　新たな平成２６年度が始まりました。
　行政改革の一環として異動の辞令交付が省略になって３年目、年度当初の始業時間に出勤して、即・業務もスタートしています。
　年度始めの式での所長あいさつは次のとおりです。

　長野県総合５か年計画「しあわせ信州創造プラン」が２年目に入ります。
　基本目標は「確かな暮らしが営まれる美しい信州」であります。
　県の「行政経営理念」に基づき、我々に与えられているミッションは「最高品質の行政サービスを提供し、ふるさと長野県の発展と県民の幸福（しあわせ）の実現に貢献する。」ということであります。
　行政経営理念には、価値観・行動指針（バリュー）として県全体では７項目掲げられています。
　先ほどの県庁における年度始めの式で阿部知事から、７つのうち今年度の重点は、「県民起点」で「最高」の「成果」を目指す、という話がありました。
　これに加えて、上伊那地方事務所は独自に８つ目のバリューを「地域の魅力を発掘し、発信します。」を引き続き加えることとします。
　業績評価制度も定着してきましたので、各課・各個人とも、より具体的で、かつストレッチな目標設定をして、改革の意識を持って平成２６年度の仕事に取り組んでいただきたいと思います。

　このほか、特に３点お願いします。
　先ずは、地方事務所の仕事は多岐に亘ります。極当たり前のことですが
　夫々が自分の役割を常に意識して、怯まず、弛まず、努力してください。
　もちろん行政だけで解決できない課題もたくさんあります。
　将来を見据えて、県民や市町村の皆様方の活力を引き出す仕事、やりがいのある仕事であります。
　消費税の引上げで、景気動向、県財政を取り巻く環境も厳しさが予想されます。
　また、ひとり一人の力には限界があります、だからこそチームワークで立ち向かうことが大切なのだと思います。　報・連・相をしっかりしていただいて、地域の活力を引き出すために、夫々が自分の役割を常に意識し、怯まず、弛まず、努力していただきたい。
　２点目は、その地域の活力を生み出す基についてであります。先ずは、この上伊那地域のことについて良く勉強して知ってほしい。そして、外に対して情報発信してほしいと思います。これは先ほどの８つ目のバリューであります。
　私自身も上伊那に生まれ育って、この伊那合庁勤務も通算６年目になります。皆さんにも、この上伊那地域を良く知っていただいて、この地域を愛し、この地域に誇りを持って「い～な上伊那ブログ」などを使って積極的に情報発信していただきたいと思います。
　地域政策も環境も税務も農政も農地整備も林務も商工観光も建築も、それぞれ地域の先進的な取組や成功例に学ぶ機会、住民の皆さんとの意見交換や勉強会など、今までもいろいろとやってきていると思いますが、そうした交流をより活発にしていただいて、それらを発信して地域の活力に繋げるように取り組んでいただきたい。
　３点目、そうしたこととも大いに関連しますが、他の機関や市町村との連携協力についてエネルギーを使い、労を惜しまずやっていただきたい。
　目指す方向は、「上伊那地域ビジョン」とそれを基にした５か年計画の「地域篇」にあります。
　播かれた「種」や「芽」や「苗」を育て、５か年をかけて「幹」や「枝」を伸ばして、「葉」を茂らせ、「花」や「実」を成らせる仕事であります。より具体的な成果が求められています。
　新たにお見えになった皆さんとも縁あって一緒に仕事をさせていただくことになりました。
　新規採用者も７名配属になります。
　上伊那地域ビジョンのスローガンは、「二つのアルプスに抱かれて紡ぐ文化と産業、息づくいのちとくらし」であります。
　もちろん、スローガンだけで物事を全て動かすことはできません。まずは、各人が健康に留意して、各課ごと各人ごと、それぞれの役割をしっかり果たして、チームワーク良く仕事をしていただくことをお願い申し上げ、平成２６年度のスタートに当たっての挨拶とします。