い~な 上伊那 2つのアルプスと天竜川からなる伊那谷の北部に位置し、雄大な自然に囲まれた上伊那地域。 この地域の自然、食、歴史や地域のがんばる人々など、私たち職員が見つけ、感じた上伊那の魅力と地域の活力を発信します。

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山笑ふ頃【井月さんのこころ59】

 里の山々も一斉に芽吹き、新緑が眩しい季節を迎えました。
 井月さんも詠んでいます。

  山笑ふ今日の日和や洗ひ張  井月

 この句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、

 着物を解いて洗い、糊付けして板に張り、皺を伸ばし乾かす。それを縫って着物を作る。昔はこんな光景がよく見られた。山の草木が芽吹き始め、山が笑うような感じで春めいてきた。外でする洗い張りも寒くない。春到来をともに喜ぶ井月。伊那の各地を回り歩きながら婦人の作業などもよく見ている。
「春山笑ふが如く」は中国宋時代の画家が言い始めたという。
 (山笑ふ・春)

 さて、山関連の話題の続きです。
 次回の諏訪大社上社の御柱(おんばしら)用材が辰野町の横川国有林から切り出されることになったと、昨年末に報道がありました。
 八ケ岳の御小屋山(おこやさん)で伐採されて、御柱街道を曳行される習わしである上社の御柱が、別の山で伐採されるのは4回連続になりますが、辰野町から伐採されるのは初めてになります。
 南信森林管理署や辰野町をはじめ地元の理解を得て、横川国有林内から樅(もみ)の大木8本が提供される話がまとまったとのことであります。
 御柱(おんばしら)といえば、木遣り音頭に合わせて人力のみで山出し、里引きを行う天下の大祭。全国に六千四百三十七の御分社を持つといわれる諏訪系の神社の多くで2016年丙申(ひのえさる)歳に向けて御柱祭の準備が始まります。
 ちなみに、上伊那郷54か村総鎮守である信濃国二之宮「矢彦神社」の次回御柱は、更にその翌年の2017年丁酉(ひのととり)歳に行なわれます。

 井月さんの句にも木遣音頭が登場します。

  霞日や木遣り音頭の唄の節  井月

 この句の評釈についても、竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、

 諏訪神社の御柱では、山から伐り出した大木を多人数で音頭に合わせ神社まで引いて行く。山出し、里引き。力を合わせるため、音頭取りは長い列の全員に聞こえるように高い声を張り上げる。かん高い声が静かな村落に響く。鍛え抜いた名調子。祭一色の春。初句「長閑さや」とも詠む。
この句の碑、西春近小屋敷三沢一人氏により一九九二年自宅に建立。
 (霞日・春)

 さて、その木遣り音頭については「唄」と「さくり」とがあり、諏訪御柱と小野御柱とでは、長さも節回しも異なります。
 例えば、木遣り唄は、
 諏訪大社上社
   御小屋(おこや)の山の樅(もみ)の木は 里に下りて神となる
 諏訪大社下社
   伊勢明神 天照皇大神宮 八幡大菩薩 春日大明神
   山の神が先達で 花の都へ 曳き付ける

 矢彦神社
   さて皆様よ どなたにも 不調法なるわたくしが
   一つお話しいたします
   明神様のにわとりは 親孝行と鳴きまする 
   エーェ親は大事だ エンヤンサー

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