2015.09.29 [ 地域振興局 ]
CS立体図を用いた路網配置 現地研修会 【報告】
9月3日(木)、長野県森林整備加速化・林業再生協議会主催による現地研修会が、伊那市長谷「鹿嶺(かれい)高原」で開催されました。
「CS立体図」は、微小な地形を可視化して立体的に表現することで、小規模な凹凸を色の濃淡で判別することが可能な地形図です。作業道等の線形を決める際に、湧水や地すべり地形などの特異な箇所を判読することで、あらかじめ危険箇所を把握し回避した計画ができるという優れた特徴があります。
当日は、中南信地域の林業事業体や関係団体、国・県・市町村の路網担当関係者、約60名が参加しました。
現地は、伊那市と友好提携を結んでいる新宿区が、自ら森林経営計画を樹立し、平成21年度から取り組んでいるカーボン・オフセット事業地の「鹿嶺(かれい)団地」で、間伐材搬出のため、林業専用道を基幹に森林作業道を高密度に配置しています。
紙に印刷したCS立体図を片手に、実際の湧水箇所や地形との整合を確認しました。0次谷(ゼロじだに)地形を形成する付近は地下水位が高く、シダ類が繁茂しているのが特徴で、必ず何らかの水処理が必要と、講師から説明がありました。
0次谷地形では、フトン篭と丸太横断溝、下部には蛇篭(じゃかご)の暗渠工(あんきょこう)を設置し、流水で道が崩れないよう、十分な湧水対策がなされていました。
【上下部に分岐する森林作業道での説明】
また、木の成長過程で幹に曲りがある場合は、地すべりが起因していることも考慮する必要があり、CS立体図だけでは判読できないため必ず現地での確認が必要とのことでした。(丸の部分に同じ方向の曲がり↓)
【地すべりが起因と考えられる幹曲り】
続く室内研修では、長野県林業総合センター育林部の戸田研究員を講師に、「CS立体図の概要」や「CS立体図を使った路網計画手順」の説明が行われ、CS立体図の判読方法や立体図からわかること、路網線形の配置手順などを、初心者にもわかりやすく解説されました。
【室内研修風景】 【戸田研究員による熱意のこもった解説】
また、信州大学農学部の齋藤助教からは、「オープンソースGISによるCS立体図利用方法」として、フリーソフトを利用した地理情報システムの活用方法を学びました。
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