2012.10.15 [ 歴史・祭・暮らし ]
日本武尊伝説を今に伝える上伊那の神社~熱田神社
魅力発掘探検隊(歴史・祭り・暮らし班)のIです。
歴史・パワースポットブームに加え、今年は古事記編纂1300年、来年は伊勢神宮式年遷宮と、神社や神話への関心が高まっています。
ここ伊那谷では、日本武尊(やまとたけるのみこと)の昼神伝説(神坂峠で山の神を噛んでいた野びるを投げつけて退治)が有名ですが、尊は東征の帰路、上伊那の地にも訪れた伝説があり、現在も神社の祭神として祀られているそうです。熱田神社(伊那市長谷)と大御食神社(駒ヶ根市)がそうです(”信濃国ニの宮”矢彦神社(辰野町)にも宿をとった伝説あり)。
まずは、熱田神社へ探検開始です!
創建の年代は不明ですが、日本武尊が村を苦しめる大蛇を退治した伝説を信仰する村人が、縁の熱田神宮(尾張国)から形影を迎えて産土神(うぶすながみ)として祀ったのが始まりとされています。
この神社の特色は、なんといっても「伊那日光」と呼ばれる本殿の彫刻の素晴らしさ。本殿は宝暦13年(1763年)尊の信仰厚い溝口村百数十戸の氏子の三百両もの浄財により再建。地元の宮大工 高見善八を棟梁に、彫刻は「上州の左甚五郎」と言われた関口文次郎、彩色は武州の森田清吉という名匠による建築。平成5年には国の重要文化財に指定されています。
本殿はかやぶき屋根の覆屋の中にあり、格子の囲いを通しての見学になります。
軒下にいっぱいの彫刻群。
木鼻・組み物という部分に彫られた霊獣たち。下から唐獅子、獏(ばく)、竜、そして?
一番上は、大変珍しい”蜃(しん)”という霊獣だそうです。口から気(波・雲とも言われる)を吐いて蜃気楼を起こす。日光東照宮にも生息!?
寿老人と鹿に松竹梅の図(脇障子という部分の透し彫り)
床下部分にも彫刻がびっしり。
唐子(中国風の子ども)が遊戯をしている図
これも大変珍しい霊獣”犀(さい)”。背中に甲羅をつけた一角獣。波間を駆け巡る図。
青犀 突進の図
玉を持つ竜 迫力の彫刻
今回の探検、彫刻の素晴らしさに時間を忘れて見入り、何度もシャッターを切りました。ぜひ本物をご覧いただければと思います。お子さん達も、ポケモンの元祖のようなシン、サイに会いに来てくださいね。
次回は、大御食神社(駒ヶ根市)の1900年祭本祭を探検します。
※今回の取材では「社寺建築を読み解く」(相原文哉著 ほおずき書籍)を参考とさせていただきました。
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