2012.10.31 [ 歴史・祭・暮らし ]
いたずらっ子も愛おしい ~ 箕輪町 十沢地蔵尊 ~
こんにちは。魅力発掘探検隊の中年Mです。
先日、箕輪町長岡区へ「十沢地蔵尊」を訪ねてきました。
場所は、天竜川の東側の高台の上にあります。緑の木々に囲まれた中に、このお地蔵様は静かに座っていました。
毎年4月24日に大祭が盛大に行われるというこのお地蔵様、地区の方々に愛されているのには、それなりの訳があるようです。
現地の説明板によりますと、こんな言伝えが・・・
今から540年ほど昔の文明13年、長岡村にあったお寺が引き払われて、隣の三日町村のお寺に移されることになったときのこと・・・
いよいよ、お地蔵様をお運びする日。
村人達は、やっとのことで十沢の坂上まで来たものの、そこまで来るとお地蔵様は重くて一寸も動かなくなり、途方に暮れてしまいました。
すると、そこへやって来た村一番のお年寄りが、実は昨夜こんな夢を見ていました。
「お地蔵様の前で拝んでいると、どこからともなく美しい歌声が聞こえてきたんじゃ。
『坂を下れば すみなれた 村がかくれる
いたずら好きの うないもの(子供) 顔も見えない 声もせぬ』
あたりを見回しても人影も見えず、そこで目が覚めたんじゃ。」
思い起こせば、村の子供達は、よくお地蔵様のところに来ては、かくれんぼや鬼ごっこをしたり、時にはお地蔵様の頭に石を積んでいたずらをしたりして遊んでいました。
村人たちは思います。
「これはきっと知らない村へ行くのが嫌で、ここにいたいんじゃなかろうか。」
そこで、坂上の小高い所の桜の大木のもとに担いで行きました。
このときは、お地蔵様は楽々と運べたということです。
このお地蔵様は(「何日間のうちに病気を治してください」といったように)日を限ってお願いすれば、必ず願いごとが遂げられるということから「十沢日限地蔵」といわれています。
私たちもご利益にあやかろうと日を限った願いをかけてみました。
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