2016.01.23 [ 歴史・祭・暮らし ]
さすらいの日々に 【井月さんのこころ150】
以下、この句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、
夜中に目が覚めた。昨夜の酒は早くさめて、寒さは寒し一向に眠れない。暗闇で千鳥の声。千鳥のまことをきくという。まことは心情、本当の気持。千鳥の動きを毎日見てすっかり覚えてしまった井月。
見ていなくとも千鳥の動きはわかる。気持がわかる。千鳥とおれと同じだ、と井月は思う。さすらいの人生。日々旅にして旅をすみかとする井月。
(千鳥・冬)
17日(日)休戸耕地の総会・新年会が行なわれました。57戸の集落で、出席者は39名。新年度の役員を決めます。副総代・会計が次年度の総代に、総代が次年度の公民館分館長になることは、慣例で決まっており、承認いただきました。
副総代・会計、区会議員(任期2年)、子供会育成会委員(任期2年)、檀徒総代(2名、任期4年)の順で投票により選挙して決めていきます。今回は、準備した投票用紙が4種類と最も多い総会になりましたが、無事に選任することができました。
昨年の達磨に総代が目を入れて、今年の達磨には次年度の総代が片目(左)を入れて、総会を閉じ、新年会の宴席を準備しました。
出席者の最長老(92歳)の方に乾杯の挨拶と御発声をいただき、開宴です。例年どおり、刺身、揚げ物、巻寿司を肴に小野酒造店の清酒「頼母鶴」10本(一斗)、米焼酎「好々爺」1升半を空けて、お開きです。
この1月17日は、山の神様を祭る「山祇講(やまのかみこう)」の日でもありました。出席は9名で、JR小野駅近くの「三河屋」さんで、床の間に掛け軸を掲げて神事の後、恒例のすき焼きを囲んで一年の山仕事などの無事を祈りました。
祭神は大山祇命(大山津見命:オホヤマヅミノミコト)で、狩人・木こり・杣などの山仕事に従事する人々が安全を祈願する祭りであり、我が集落(辰野町小野休戸)で、二百年余の伝統がある新春行事です。
2014年1月25日 人任せの春に【井月さんのこころ45】
少し雪が欲しいとも祈ったところでしたが、その晩(18日午前0時8分)には、県中部の一部と南部全域に大雪警報が発令され、18日(月)の朝は15センチくらいの積雪となり、雪掻きから一日が始まりました。
14時37分上伊那に出ていた大雪警報は解除されましたが、国道153号線の善知烏(うとう)峠(塩尻市北小野)は、中央道の不通を迂回する車列で夜まで大渋滞が続きました。
遡って15日(金)未明、北佐久郡軽井沢町で北信方面へ向かっていたスキーツアーのバスがガードレールを突き破り横転して大破し、乗客の大学生13名、乗員2名が死亡するという大惨事が発生してしまいました。前途ある二十歳前後の若者たちが犠牲となってしまい、悔やみきれない気持ちでいっぱいです。
亡くなられた方々に対して心から哀悼の意を表するとともに、怪我をされた方々の平癒を祈念申し上げます。
俤(おもかげ)の眼にちらつくや雪仏 井月
この句は、井月さんの飲み友達であり俳友でもあった小町谷鹿笛氏への明治十一年冬の追悼句。「管鮑の如く、泪も氷りて胸裏を寒からしむ。捻香に換えて禿筆を採り即身仏を心におもふ。」の詞書きが添えられています。
井月さんには「換焼香」の詞書きを添えた次の追悼句もあります。
復花(かへりばな)けふの仏の馳走かな 井月
エルニーニョによる暖冬で昨年の暮れから咲いてしまった季節はずれの梅の花は、この寒さで実を結ぶことは適いそうにありません。
若い命を悼みて
俤をネットに探す復花(かえりばな) 青巒
今週の結びは、愚良子先生のこの句です。
「春日愚良子句集」から
雪焼けの児がをり真白な児もをりぬ 愚良子
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