い~な 上伊那 2つのアルプスと天竜川からなる伊那谷の北部に位置し、雄大な自然に囲まれた上伊那地域。 この地域の自然、食、歴史や地域のがんばる人々など、私たち職員が見つけ、感じた上伊那の魅力と地域の活力を発信します。

い~な 上伊那

2つのアルプスと天竜川からなる伊那谷の北部に位置し、雄大な自然に囲まれた上伊那地域。 この地域の自然、食、歴史や地域のがんばる人々など、私たち職員が見つけ、感じた上伊那の魅力と地域の活力を発信します。

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報謝欲しき炎天に 【井月さんのこころ124】

 地方創生をめぐり様々な議論がされていますが、キャリア教育デザイナーで(株)GGC代表取締役である藤岡慎二氏が、地方創生の鍵は「ブーメラン人財」であると説いていることに共感しました。

 『自分を育ててくれた地域への恩返しの想いの総和』が地方創生のエネルギーなのだと思います。そうです、上伊那の『郷土愛プロジェクト』が未来の上伊那を創るのです。

 横断歩道を渡り終えた「上伊那の子ども達」が、振り向いて止まってくれた車のドライバーにキチンとお辞儀をする上伊那文化をいつまでも大切にしたいものです。その子ども達が育って、人(歩行者)を大切にする伝統が上伊那文化として受け継がれていくのです。

 「3/7信州人」「CCRCモデル」も良いですが、社会動態も所詮はヒトの取り合いでゼロサムですから、出生率を上げない限り地方は再生されません。一時は低廉な村営住宅の提供などで「子育ての村」として一世を風靡したS村が、今や高等教育を求めて転出する世帯が増えてしまい、急速な人口減少に陥っている姿は、まさしく「他山の石を以て玉を攻むべし」なのだろうと思われます。

 そこで、高等教育「上伊那の高校再編をどうするか」が、猶予がない喫緊の最重要課題だろうと考えます。

 そして、合計特殊出生率(全国1.42、長野県1.54、上伊那1.63)を如何に高めるかが、根本的な一番大きな課題だろうと思います。そこで、先日の「上伊那地域戦略会議」で提案したのが、上伊那米振興ビジョンと『農の付加価値』によるU・Iターン者や若者の定住なのです。一見、論理が飛躍しているように見えますが、結婚・出産・子育て・教育・就職などの戦略と一緒に進めていけば、出生率を高め、人口の維持・定着を図ることに繋がるはずです。

中ア・カントリーエレベーター

 増田レポート・日本創生会議の戦略に出てくる「若者・結婚・子育て年収500万円モデル」の上伊那版は、「農による付加価値100万円」があればプラス「その他収入400万円」で足りるモデルです。それが『希望する二人の子育てができる上伊那』であり、『田園に囲まれた子育てしやすい、豊かな暮らしが実現できる上伊那』を目指すということなのです。

 昨年11月、伊那市における講演会で関東農政局の末松広行局長からお話いただいた、「人口減少を極力緩やかにし安定した地域づくりをするためには」という農村地域の地方創生のヒントについて2014.11.29 神無月の揺れに 【井月さんのこころ88】で紹介させていただきました。

 都市部に比べて農村部は出生率が高く、特に高いのは農村工業が盛んな市町村であり、「農業+アルファの所得」を確保することが『多子』の前提になる。出生率を横軸に、縦軸に母親が29歳までに生まれた子どもの割合をとると、正の相関関係があり、農村工業が盛んな伊那谷の市町村は関東管内でも右上に位置することになるものの、その更に右側には、ファナックが立地する忍野村、矢崎総業の裾野市、東レの長泉町、日本原電の東海村、浜岡原発の御前崎市などといった更に出生率が高い市町村が存在するのだということ。

 23日、信濃毎日新聞4面に今年度の地方交付税の不交付団体(全国60市町村)が載っていましたが、忍野村、裾野市、長泉町、東海村は、いずれも不交付団体なのですね。御前崎市も昨年度は不交付団体のようです。(もちろん、地方交付税に頼らずともやっていける市町村は 羨ましいかぎりですが………。)

 末松局長さんからいただいたビッグデータを加工したそのグラフも再掲しましょう。

 図1

   そうせいと夏越しに子等の佳き笑顔  青巒

         晩婚阻止やら子育て指南  朴翆

 その上に願わくは、「ブーメラン人材」を呼び戻すことができる働き口の確保が必要であり、上伊那ものづくり産業の再興とともに大都市機能をバックアップできるINA-Ⅴallayを創っていくことが必要になるのだろうと思います。(もちろん、地方交付税も地方創生交付金も欲しいのですが………。)

みつばち 

 今週の結びは、愚良子先生のこの句です。

 「春日愚良子句集」から

  炎天にふとたち止まり何欲しき  愚良子

 

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