2015.05.07 [ 歴史・祭・暮らし ]
江宮隆之先生の講演「伊那谷の俳人・井上井月」を聴いて
農地整備課の中年Yです。
4月26日(日) 飯田市立中央図書館で「伊那谷の俳人・井上井月」と題して、江宮隆之先生をお招きし、文学連続講座(主催 飯伊婦人文庫、飯田市立中央図書館)が開催されました。
「井月」といえば、もちろん上伊那地域を中心に漂泊した俳人ですが、天竜川で繋がっている飯田の地でこうした催しが開かれたことは、「上伊那地域魅力発掘発見隊」の一員として大変喜ばしい限りです。
講師の江宮隆之先生は「白磁の人」や「二人の銀河鉄道 嘉内と賢治」の筆者であり、殊に今回の公演に関連した「井上井月伝説」(2001年初版)にあっては、松岡正剛の「千夜千冊」に選出され454夜に登場する名書でもあります。
松岡正剛氏は本書について、次のように紹介しています。「下島が句集を編んだ井上井月についての”伝説”をまとめたもので、妙に温かい。~中略~ 井月よりもましな生き方をして、井月よりも味のある句をつくり、井月よりおもしろい字を書いている者がどこかにいるのかというと、すぐには見つからない。本書をヒントに井月を知ってもらいたかった。(これまで井月はメジャーの出版社ではとりあげられてこなかった。本書が最初であろう。)」
※下島とは下島勲(空谷)のことで、井月句集の編者であり芥川龍之介の主治医であった。
という訳で、江宮先生のお話を聞くためにと地元飯伊婦人文庫の会員は元より、県外の読書会の皆さんや「一般社団法人 井上井月顕彰会」の方々も足を運んでくれた中での開催となりました。
江宮先生は講演の中で、次のように語られました。
○俳人には選句を手掛ける「専門俳人」と俳句を読むことだけに没頭する「本格俳人」に分けられる。「本格俳人」には芭蕉、蕪村、子規、虚子などが挙げられるが、蕪村と子規の間に100年の空白期間があり、これを埋めることができる本格俳人が井月である。
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