2014.03.29 [ 食・農・旅 ]
伊那谷の春の味覚に【井月さんのこころ54】
井月さんのこころ シリーズ その54
24日(月)「上伊那食べたい提案隊」(隊長:御子柴茂樹JA上伊那組合長)主催による地域料理のメニュー提案会がJA上伊那本所において開催されました。
こうした提案会は3回目の開催になるそうですが、今回は『井月さんと歩む上伊那の滋味ある地域料理メニュー提案会』と銘打って開催されました。
御子柴隊長あいさつ
詳細は後日のブログ記事に委ねますが、開催の趣旨は井月さんが詠んだ農産物や伝統食に因んだ俳句から発想される料理を提案し、地域の貴重な「食」として記録に残すとともに、試食イベントを開催し、地元農産物の価値を再認識していただこうとするものです。
この『井月さんのこころ』シリーズで紹介してきた伊那谷の食文化や食材に関連する井月さんの俳句15句を題材にして、(株)グレース フラワーパレス(小澤英治料理長)の御協力により、新たな食の提案をしていただきました。
フラワーパレスの石川順子さんからメニューの紹介をしていただき、まず「見た目」の評価をアンケートに答えていただいた後、試食を行ない「食味」等についてのアンケートをお願いしました。
今後「レシピ集」にまとめ、上伊那地域の飲食店や宿泊施設等において活用していただけるようにしてまいりたいと思います。
ご提案いただいたメニューはどれも美味でありましたが、特に、井月さんの「星影は網にこぼれて鯇(あめのうを)」に因んだ「にじますのポワレ ふきのとうのクリームソース」や「粟粥でつなぐ命や雪の旅」に因んだ「豆乳と豆の洋風粥」は、イタリアンと和風のコラボレーションがすばらしく、とてもおいしくいただきました。
井月さんが春の味覚を詠んだ句には、次のようなものもあります。
時めくや菜めし田楽山椒みそ 井月
雛に供ふ色香めでたし草の餅 井月
以下、後者の句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、
春になると、野草を摘んできて食べる。嬉しい季節の到来を味覚で味わい喜ぶ行事。草餅はよもぎの葉を茹でて混ぜて搗いた餅で鮮やかな緑色が美しい。これで餡を包む。匂いも強い。季節感を味わうに筆頭のもので、近年蓬は栄養面でも注目される。
お雛様にこういう季節のものも供える。その色と香を愛でる井月。
(草の餅・春)
「抹茶ムースもなか仕立て」と「米粉草餅」 色も香も味も とてもすばらしかったです。
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