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安心・安全な国産飼料の生産を目指して!

こんにちは!北アルプス農業農村支援センター技術経営普及課のイワシです。
今回は、牛やニワトリに美味しく、安心して食べてもらえるエサ作りのため、今年から私たちが取り組んだ「子実用とうもろこし」の試験栽培について紹介します。

「子実用とうもろこし」とは、子実だけを収穫し、牛やニワトリなどの家畜のエサとするとうもろこしのことです。とうもろこしは栄養価が高いため、家畜が健康に育つためには欠かすことのできない食べ物です。


元気な牛 かわいいです!!

家畜のエサはとうもろこしに限らず、多くのものが海外からの輸入飼料に依存しています。
しかし、世界情勢など様々な影響を受けて価格の高い状況が続いていることや、安心・安全なエサ作りの観点から、国産飼料増産が求められています。

この試験栽培は、試験場の現地試験栽培などに協力いただいている大町市の大規模稲作経営体の転作田で、JA大北や全農長野、種苗メーカー、農機具メーカー、県畜産試験場、県農業技術課など多くの皆さまと一緒に取り組みました。


種まきの様子(6月19日)

令和5年6月19日に種をまき、11月9日に収穫を行いました。

子実用とうもろこしの生育は、栽培ほ場の作土が深く水はけが良かったなど、ほ場条件が良かったことから湿害や干ばつに遭わず、順調に生育しました。


とうもろこしの様子(8月9日)
草丈は2m以上あり、迫力満点です!

収穫当日は天候に恵まれて、作業は順調に進みました。
専用コンバインのスピードが速く、さらに子実の選別の精度が高かったことから、見学していた農家や農協職員からは驚きの声が聞かれました。


収穫の様子(11月9日)
思った以上のスピードで収穫していきます。先端のアタッチメントのフォルムが独特です。

この収穫機は、機械の中で子実だけを選別して収穫することができます。
収穫しない茎や葉っぱ、子実の軸は専用の機械で切り刻んでほ場に戻すため、有機物の還元になり地力増進に繋がります。


子実用とうもろこし


子実


軸(畑に戻します)

収量は約700kg/10aで、国の目標とする800kg/10aにわずかに届きませんでしたが、初めての栽培としては良い結果が得られたと思います。

この子実用とうもろこしの取組みは長野県内でもまだ少ないため、来年度も引き続き、収量や品質向上、大北地域に適した品種選定などの調査を行っていきたいと思っています。

また、私が所属している「北アルプス農業農村支援センター技術経営普及課」の活動紹介(リンク先はこちら)でも取り上げていますので、ぜひご覧ください。

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