2020.08.20 [ その他 ]
「スマート林業」に期待!
北アルプス地域振興局林務課です。
「スマート林業」をご存じでしょうか。
林業の現場の多くは急峻な地形をフィールドとしていることや、木材を伐採するといった危険な作業が多いことなどから、若い就労者が定着せず高齢化が進んでいるなど、担い手の確保が課題となっています。
こうした「きつい」「危険」といった林業の現場の労働条件の整備や、生産性を高めて儲かる林業を実践するための「スマート林業」の推進が注目されています。
「スマート林業」とは、モバイルツールによる木材生産の管理や、ドローン等を活用した空からの森林情報の把握、林業機械の操作の自動化など、GISやICT等の先端技術を活用することで効率的で安全な林業経営を行うための取り組みです。
これまで、伐倒され丸太になった木材の太さや長さの検収は、人が1本1本スケールを使って行っていましたが、今回、北安曇郡池田町の大北森林組合が素材生産を行っている現場では、タブレットを活用した写真撮影等によりAIが自動で検収する「タブレット木材検収システム」による検収が行われました。
まずは、人が1本1本の木にスケールをあて直径を図る従来の方法で検収しました。
この作業では、直径を計測する人と計測した結果を野帳に記録する人の2人が必要ですが、検収者の計測ミスや野帳への記載ミスなどの人為的な要因による間違いが起こりやすくなります。
今回行った「タブレット木材検収システム」では、画面をタップすることで直径を入力したり、直径を読み上げることで認識したりすることができ、作業も1人で正確に行うことができます。
また、写真を撮影して、その中から基準となる丸太1本の直径を入力すると、全ての丸太の直径が自動で認識される方法もあります。
「タブレット木材検収システム」では、こうしたことから人為的なミスが減り、計測したデータは、即座に森林組合や会社のパソコンに転送できます。また、現場にプリンターがあれば、材積が計算され印刷することも可能です。
長野県では、今後も「スマート林業」を推進することで、多種多様な林業の現場から木材市場、木材製品加工、木材ユーザーまでをスマートにつなげ、森林県から林業県への実現の一助とします。
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