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日本で唯一の紙軸専門の製造会社。「佐久産業株式会社」(小諸市)

綿棒や飴棒、IT関連製品まで幅広く活用される紙軸(ペーパースティック)を製造、販売している「佐久産業㈱」は、国内では珍しい紙軸の専門メーカーです。「地域あっての会社」と話すのは代表の小山純(こやまあつし)さん。“安心・丈夫・清潔・高級”な紙軸の製造を実現するとともに、地域活動にも積極的に取り組んでいます。

そんな佐久産業㈱をもっと深く知るべく、代表取締役の小山純さんにお話をお聞きしました。

社長

佐久産業株式会社で代表取締役を務める小山純さん

- 早速ですが、貴社は国内で唯一の紙軸専門の製造会社とお聞きしました。会社の歴史を教えてください。

当社は、私の父である小山雄三(会長)が昭和62年に千葉県柏市で創業しました。創業する前、会長は、埼玉県にあった紙軸の製造会社で機械の設計製作に携わっており、独立を機に「佐久産業㈱」を立ち上げたのです。

千葉県で創業したのに、なぜ社名が佐久産業なのかといいますと、「会社の将来像」が関係してきます。会長は、農家の三男で、小諸市出身です。千葉県の会社は借家でしたので、いずれは小諸の農地を活用したいと思っていました。加えて、高速道路や新幹線の開発計画が進んでおり、地域として発展するだろうという期待もありました。そのため、「北佐久、佐久地域」のイメージで社名を佐久産業にしました。

当初の思いどおり、平成10年に出身地である小諸市に会社を移転しました。これが佐久産業の約30年の歴史です。

よくお取引先から「なぜ小諸産業ではないのですか」と聞かれますがこのような理由があります。ここまで発展するとは思いませんでしたが。(笑)ちなみに、私は38歳で佐久産業に入社しました。それまでは、違う業界で働いており、会社を継ぐつもりはありませんでした。しかし、従業員の方の生活や地域における役割など色々と考えた末に、社長という立場で努力してみようと覚悟を決めました。

紙軸

用途に合わせて考えられた多種多様な製品例

- そうだったのですね。紙軸と聞くとキャンディーや綿棒を想像します。業界の状況はどのようになっているのでしょうか。

綿棒は綿と紙軸で構成されています。多くの方は、綿棒の軸を別の会社がつくっているとは思わないでしょう。綿を付けて完成品を提供する綿棒の製造会社は国内に4社存在し、2社が岐阜県に、残りの2社は東京と大阪にあります。このうちの2社は、紙軸製造も手掛けているため自社における綿棒の一貫生産が可能です。綿棒は、岐阜県の高山市に由縁があり、もともと、高山市の企業で培われたつまようじの製造技術が綿棒の製造に転用されて、発展してきたと言われています。

- 家庭用や雑貨用の綿棒の紙軸以外に取り扱う製品を教えてください。

ひとくちに「紙軸」といっても、用途に合わせて考えられた多種多様な製品があります。医療分野で多用される綿棒用の特殊な紙軸、口腔ケア用紙軸、水に溶ける機能を持った紙軸、衛生面を重視した飴棒用の紙軸など、その種類・機能は実に様々です。当社は、軸径1.3~5.0㎜・軸長60~600㎜と自由度の高い寸法設定ができ、高品質な紙軸を製造することが可能です。

- 用途別にみた売り上げに占める製造割合を教えてください。

家庭・雑貨用綿棒の紙軸が30%~40%、介護・医療用の紙軸が60%~70%、キャンディー用の紙軸が10%になります。5年くらい前までは、家庭・雑貨用綿棒の紙軸を主に製造していましたが、現在は、医療用や工業用などの紙軸製造にシフトしています。スーパーやドラッグストアに並んでいる綿棒は1ケース200本入り容器が2つで100円から200円で販売されています。販売されている綿棒は大きく分けると「紙軸」、「綿」、「容器」の3つのパーツで構成されています。いかに製造コストを安く抑える必要があるかお分かりいただけると思います。そのため、「厘」という通貨単位も登場します。(笑)

- 綿棒の紙軸に関して、どのくらいの生産能力があるのでしょうか。

綿棒の紙軸に関して、ピーク時は、機械を一日あたり14時間稼働させて、月に約2億本を製造していました。現在は、ピーク時の約3割、月に約6千万本を製造しています。この本数は、紙の重さに換算すると約20トンにあたります。製造本数は意図的に減らしました。海外メーカーとの価格競争もあり、綿棒の紙軸の単価は非常に安くなっています。そのため、5倍ほどの利益率が見込める工業用や医療用といった高付加価値製品へと製造をシフトしているのです。このようなお話をすると、工業用や医療用に特化すれば良いかと思われるかもしれませんが、製紙会社様との原材料調達の兼ね合いがありますので簡単な話ではありません。

製造過程

自由度の高い寸法設定と強度を実現する製造工程

- 医療用や工業用の紙軸はどのように使用されるのでしょうか。

医療手術やインフルエンザの検診などに使用される特殊綿棒や高齢者の介護等に使われるスポンジ製の歯ブラシ(口腔ケア)、精密機械の掃除用などに使われています。当社が製造した紙軸に別のメーカーが樹脂やウレタンといった素材を二次加工して取り付け、完成品に仕上げます。

- 業界ならではの難しいこともあるのではないでしょうか。また、販路拡大で工夫している点を教えてください。

狭い業界です。全ての綿棒メーカーと取引がありますので、情報が筒抜けです。(笑)私たちは紙軸を部品だと思っています。そのため、綿棒製造会社の4社に対して重点的に売り込みを行います。紙軸専門会社の宿命として、「常に新しい用途で使えないか」を模索しています。紙軸の先に、何かを付けることにはなりますが、違う業界のニーズを拾い集めて提案しています。

一方で、業界ならではの「わかってくれる」こともあります。たとえば、「黒点」です。紙をよくみてみると、黒い点があるのをお分かりいただけるかと思います。この黒点は、原材料である木を紙へと加工する過程で、植物繊維を取り出した「パルプ」に混ざっていた、もしくは、付着していた異物になります。天然素材の場合、異物の混入はゼロではありません。そのため、紙軸の表面部分に黒点が出てしまうこともあります。その場合には、目視やものづくり補助金を活用して導入したオリジナルの画像検査装置を用いて取り除きます。業界では、よくある事なので理解していただけますが、一般消費者の方はそうはいきません。

検品①

検品②

混入した異物がないか確認する検査工程

- 人材確保が難しくなっていますが、人材教育の面で取り組んでいることを教えてください。

地域あっての会社だと思っています。そのため、進んで地域貢献しようと話しています。長期的に地域の取組みに参加できるように、当社は年間にして130日の休日を設けています。もちろん、休日にしっかりリフレッシュしてほしいという思いも込めてです。私も、地域の消防団や佐久ライオンズクラブに加入して活動したり、何か貢献できることはないかと日々考えています。このようなインタビューも、仮に東京からのオファーであれば断っていました。地域密着でやっていきたいと思っていますし、東京で広告する必要もありませんからね。

また、技術的な面での教育にも力を注いでいます。当社には30代から50代の従業員が約30名働いております。年齢構成的にはバランスが良いと思います。紙軸の製造機械の設計・開発・メンテナンスを自社で手掛けており、必要な技術を学んできてもらうために、会社に籍を置きながら、岡谷や伊那にある県の技術専門校に勉強しに行ってもらってもいます。

- 佐久産業ブランドとして強みや大切にしていることは何でしょうか。

「高い品質」と「柔軟な対応」です。品質は、安心・安全に直結しますので、信頼できる紙業者から紙を仕入れ、強度・規格に優れた紙軸を提供しております。また、特殊な規格での小ロット製造もできる限り対応しています。業界でいう小ロットとは、1万本程のことを指します。当社は、年間数件ですが、業界の常識よりもはるかに少ない、個人の方の100本単位の製造にも応えています。印象に残っている事案として、マラソンの応援時に使用する「旗の紙軸」を製造したことがあります。軸長600㎜、軸径4㎜と特殊な寸法でした。このような特殊な規格は、エンドユーザーから相談を受けた商社からの発注が多いですね。

- 創業を目指す方にアドバイスをお願いします。

私は佐久産業の創業者ではありませんが、自身が立ち上げたエネルギー関連会社の例を交えてお話しさせていただきます。若いときにしかチャンスがありません。思いきりやってください!先程、地域密着のお話をしましたが、私は地域のエネルギー勉強会で委員を務めております。その勉強会の中で、「会社を作ってみよう」という話になったのです。勉強会に参加していなければ、会社を設立するようなことはなかったでしょうね。(笑)

もともと、人のアドバイスや知恵をお借りしたくて勉強しに行っていました。日々、会社の内外で仲間と研究しながら自分から率先して勉強していく。世の中どういうことで、どういう縁になるかわかりません。

- 結びに、今後の目標をお願いします。

「木の代替品になるような新商品」を考えています。たとえば、アイスキャンディーの棒に木が使われていますが、近年、木の需要が増えたことと成長速度による制約との兼ね合いから木が足りなくなってきています。

また、紙の種類を変えて、「耐火性・耐水性」のような機能を備えた商品の研究もしていきたいです。使い捨ての商品にコストはかけられませんので難しいところですが。

- 本日はありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございました。

(内容は一部、佐久産業株式会社ホームページから引用・抜粋しています。)

 

ブログ記事作成|佐久地域振興局 商工観光課(0267-63-3158)

企業名|佐久産業株式会社

住所|長野県小諸市大字八満1152番地1

電話番号|0267-24-1701

ホームページ|こちら!

 

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