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日本で唯一の紙軸専門の製造会社。「佐久産業株式会社」(小諸市)

- 家庭用や雑貨用の綿棒の紙軸以外に取り扱う製品を教えてください。

ひとくちに「紙軸」といっても、用途に合わせて考えられた多種多様な製品があります。医療分野で多用される綿棒用の特殊な紙軸、口腔ケア用紙軸、水に溶ける機能を持った紙軸、衛生面を重視した飴棒用の紙軸など、その種類・機能は実に様々です。当社は、軸径1.3~5.0㎜・軸長60~600㎜と自由度の高い寸法設定ができ、高品質な紙軸を製造することが可能です。

- 用途別にみた売り上げに占める製造割合を教えてください。

家庭・雑貨用綿棒の紙軸が30%~40%、介護・医療用の紙軸が60%~70%、キャンディー用の紙軸が10%になります。5年くらい前までは、家庭・雑貨用綿棒の紙軸を主に製造していましたが、現在は、医療用や工業用などの紙軸製造にシフトしています。スーパーやドラッグストアに並んでいる綿棒は1ケース200本入り容器が2つで100円から200円で販売されています。販売されている綿棒は大きく分けると「紙軸」、「綿」、「容器」の3つのパーツで構成されています。いかに製造コストを安く抑える必要があるかお分かりいただけると思います。そのため、「厘」という通貨単位も登場します。(笑)

- 綿棒の紙軸に関して、どのくらいの生産能力があるのでしょうか。

綿棒の紙軸に関して、ピーク時は、機械を一日あたり14時間稼働させて、月に約2億本を製造していました。現在は、ピーク時の約3割、月に約6千万本を製造しています。この本数は、紙の重さに換算すると約20トンにあたります。製造本数は意図的に減らしました。海外メーカーとの価格競争もあり、綿棒の紙軸の単価は非常に安くなっています。そのため、5倍ほどの利益率が見込める工業用や医療用といった高付加価値製品へと製造をシフトしているのです。このようなお話をすると、工業用や医療用に特化すれば良いかと思われるかもしれませんが、製紙会社様との原材料調達の兼ね合いがありますので簡単な話ではありません。

製造過程

自由度の高い寸法設定と強度を実現する製造工程

- 医療用や工業用の紙軸はどのように使用されるのでしょうか。

医療手術やインフルエンザの検診などに使用される特殊綿棒や高齢者の介護等に使われるスポンジ製の歯ブラシ(口腔ケア)、精密機械の掃除用などに使われています。当社が製造した紙軸に別のメーカーが樹脂やウレタンといった素材を二次加工して取り付け、完成品に仕上げます。

- 業界ならではの難しいこともあるのではないでしょうか。また、販路拡大で工夫している点を教えてください。

狭い業界です。全ての綿棒メーカーと取引がありますので、情報が筒抜けです。(笑)私たちは紙軸を部品だと思っています。そのため、綿棒製造会社の4社に対して重点的に売り込みを行います。紙軸専門会社の宿命として、「常に新しい用途で使えないか」を模索しています。紙軸の先に、何かを付けることにはなりますが、違う業界のニーズを拾い集めて提案しています。

一方で、業界ならではの「わかってくれる」こともあります。たとえば、「黒点」です。紙をよくみてみると、黒い点があるのをお分かりいただけるかと思います。この黒点は、原材料である木を紙へと加工する過程で、植物繊維を取り出した「パルプ」に混ざっていた、もしくは、付着していた異物になります。天然素材の場合、異物の混入はゼロではありません。そのため、紙軸の表面部分に黒点が出てしまうこともあります。その場合には、目視やものづくり補助金を活用して導入したオリジナルの画像検査装置を用いて取り除きます。業界では、よくある事なので理解していただけますが、一般消費者の方はそうはいきません。

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