信州魅力人

信州の魅力、それは長野県内で頑張るつくり手たちの魅力。そんな魅力人の想いをお伝えします

うちの商品には「戸籍」がある

「限界集落」という言葉を最初に聞いたとき、ドキリとしました。人口の50%以上が65歳以上という高齢化が進んだ集落のことを指すというこの言葉には、もの寂しさや高齢化社会の厳しさを含んでいるようにも感じます。

しかし、この言葉に「一番」をプラスすると、ちょっと違う響きになります。今回は長野市中条(旧中条村)に暮らしながら、「限界集落一番」というブランドで地産地消の商品を開発・販売をしている常盤林夫(しげお)さん・純子(すみこ)さんご夫妻にお話を伺いました。

うちの商品には「戸籍」がある

-「限界集落一番」ブランドとしては、どのくらい商品があるんですか?

限界集落一番の商品

林夫さん:
今は30商品くらいです。「糀十割味噌」や、漬物やりんごジュースなど、すべて限定というか、たくさん作るのではなくてね、作れる分だけ作って、(原料が)終われば「終わりました」、としています。地産地消ってことで、長野市の西側のところで採れたものしか使いません。人をたくさん雇って企業的に仕事をするというのは、原料の関係でいっても私と家内の年からいっても非常に難しいところです。儲けというものは考えない。考えなければ地産地消っていうものを徹底的に浸透できるようになると思っています。

保存料や添加物、合成着色料も使いません。食べ物だから人の体に心配なものは一切使わないし、売りません。それがコンセプトというか、信念です。

例えばね、かきもちっていうかお餅があるけど、それもばあさんが、なあ。

純子さん:
ええ。1人で50俵分のお餅をついて。

限界集落一番 常盤林夫さん

林夫さん:
全部ばあさんの手作りで、人気があってね。きび・えごま・赤もろこし・白いお餅の4種類。それもみんな中条の農家の人たちに契約栽培で作っていただいたものを使っています。えごまとかは特定のものだから契約して農家の人に作ってもらわないと間に合わない。もち米は戸隠にいる次男に作ってもらっている「かぐやもち」を使っています。だから、ここで作っているものにはみんな「戸籍」がある。

店舗に出すまで、2人きりで作るのは至難だけど、でもそれをやるのが楽しいですよ。商品というのは、人のやらないことをやれば、必ず誰かが「珍しい」「何か特別なのかな」って思ってくれる。人のマネをしていてはダメなんです。「人のやらないことをやれ~♪」って、お風呂や仕事場で歌いながらね(笑)。私とばあさんの個性を出した食べ物なら、それが「限界集落」の味として出てくると思っています。

「淡竹(はちく)水煮」のラベルは手描き

例えば2年前くらいから販売している「淡竹(はちく)水煮」。ラベルは1枚ずつ手描きをしたものを貼っています。字を書くのが好きだからね。でもこれも「人のやらないことをやる」うちの一つです。

純子さん:
朝3時半ごろから起きて、書いていますからね(笑)。

林夫さん:
「よく2人でやってるね」と言われますが、2人ともよく働きますよ。私は4時間以上寝たら病気になると思っているから(笑)。朝、目が覚めたら仕事を始めます。いったん目が覚めたらもう寝床には戻りません。眠れないというわけではなくて、熟睡できているから目が覚めるんだろうね。寝ようと思えば車の中とかでもパッと寝ちゃうから。まあこれも、ほかの人がやっていないことの一つかもしれないですね。

楽しければ商売も自然とうまくいく

-自ら「限界集落」と名乗ってしまうのも、ほかではやっていないことかもしれないですね。

林夫さん:
ここは「限界」かもしれないけど、水も、空気も、そして人柄も最高にいい。「一番」っていうのはちょっとハッタリというのもあるけれどね(笑)。それでも過疎の田舎だけれど、爺婆2人で、地産地消って言って、作れる分だけ作って、売れてしまえば「よく売れたなあ」って言って。それがまあ、面白いなあ。苦労も楽しいわい(笑)。なあ、ばあさん。

限界集落一番 常盤純子さん

純子さん:(笑)。

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