来て!観て!松本『彩』発見

歴史と伝統の城下町松本。のどかな田園風景安曇野。そびえたつ雄大なアルプス。自然と文化に彩られたまつもと地域の情報を、松本地域の県職員の発見を織り交ぜつつお届けします。 面白いこと新発見、知ってる人にも再発見、何だこれはの珍発見。当たり前だと思っていたことから、ローカルなことまで職員の発信する情報をお楽しみください。

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地域の知恵袋【安曇野市農林部耕地林務課長 寺島啓二さん】

 みなさんは「安曇野」という言葉に何を連想されますか。


 美しく清らかな「水」、風にそよぐ緑の「田園」、雄大で凛とした北アルプスの「山々」など、豊かな自然の恵みを好意的に思い描く方が多いのではないでしょうか。

 今回の知恵袋インタビューは、安曇野市農林部耕地林務課の寺島啓二課長です。


 寺島課長は言います。
「安曇野の風景を構成する農地や水は、当たり前に存在しているものではありません。長い歴史の中で築き上げられてきた農業生産基盤そのものなのです。」


「『安曇野』を支える農業生産基盤は地域全体の宝。農地や水は、安曇野の農業生産を支えるだけではなく、観光資源としても重要な役割を果たしているのです。」
と語る寺島課長に、農地や農業用水の適切な維持管理や計画的な整備を進めていく上での課題や提言などをお聞きしました。


「農地や水を守る上で、安全に効率よく農作業ができる基盤を作っていくことは大変重要なことです。水田の借り手は多くいるのですが、ほ場整備が済んでいることが借り受ける条件なのです。農道が未整備という水田には借り手はいません。」
と農業生産基盤が整備がされているか否かで、農地の利用度に差がついてしまうことを指摘します。

「現在、安曇野市烏川地区で、久しぶりの県営ほ場整備事業を実施しています。これは、過去にほ場整備事業を担当した市職員がいたからこそ実現できました。」
と事業を進める上で「人材」の重要性を語ります。

「ほ場整備は農地、水路、農道を一体的に整備するので、農地の区画や水路道路の配置計画の調整、換地での権利関係の調整、隣接する非農用地との調整など、様々な調整業務が目白押しで、知識と経験を有する職員がどうしても必要です。市では、区画が小さく水路が老朽化するなど、ほ場整備の導入を検討したい地域があり、若手職員に現在実施中の事業を経験させることも大切だと考えています。」
と、将来を見据えた人材育成に取組んでおられます。


 今年は、烏川地区のほ場整備後の水田で、初めて田植えが行われました。


 続いて、農業用水を守る土地改良区への支援の話へ。
「土地改良区は、農業用水を守る大切な組織。将来にわたり安定して運営されることが必要です。農家数は減少しても、土地改良区が管理する水路は減りません。土地改良区の運営基盤を強固にしないと農業用水は守れません。」
「運営基盤の強化といっても、いきなり土地改良区の合併というのは難しいのです。そこで、市が事務局となって『安曇野市土地改良区連絡協議会』を立ち上げました。市に関係する12土地改良区が参加しています。」
と、市の取組を説明していただきました。
「効率的な土地改良区運営に向けて、他の先進地域の視察や意見交換等を重ね、ここにきて『合同事務所』の設置が具体化してきました。現時点で8土地改良区が参加する見込みです。」
と具体的な成果が見えてきたそうです。
 松本地方事務所管内は県内最多の31土地改良区があり、今後の波及効果も期待されます。

 もうひとつ、市独自の取り組みを紹介いただきました。
「うれしい事業ではないのですが…。」と前置きしつつ、
「『安曇野に旅行に来たら、用水路がゴミだらけだった…。』これは情けない話です。が、現実なのです。水路に流れ込んだり捨てられたりするゴミがとても多い。これまでは土地改良区の責任で処分していただきましたが、背に腹は代えられないとの想いで、本年度から土地改良区が水路内のゴミを処分する費用の一部を市が補助することとしました。」
と観光資源でもある用水路を取巻く別の一面も語っていただきました。


 また、安曇野市では「農地水保全管理支払」にも積極的に取り組んでいます。
 これは地域の財産である農地や水路を守る活動に、農家のみならず地域住民にも参加いただく取組です。「事業の説明を、区長会で行いました。反響が大きかったですよ。区長には農家も非農家もおられますが、この事業への参加団体が一気に増えました。口コミでも広がって想定以上でした。」
と広報や周知方法の工夫が大切だと言います。

 地域の皆さんによる水路の維持管理活動


 寺島課長は、かつて300haに及ぶ大規模ほ場整備の現場を担当され、計画策定から工事の実施まで、農家の皆さんと直接語り合い、合意形成を図りつつ事業を進めてきた経験をお持ちです。
しあわせ信州創造ブランでは、「夢に挑戦する農業」において農業生産基盤の整備により生産条件の改善を進めていくこととしています。
 安曇野の農業が持続的に発展してこそ、美しい風景も守られます。
 インタビューを通じて、安曇野市の農家視点に立った施策の展開は、県にとっても大切な視点であり、これまで以上に市町村と連携して取組む重要性を再認識させていただきました。

「インタビューの詳細は松本地方事務所のホームページをご覧ください。」

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