2018.12.07 [ その他南信州の食・味・お土産南信州の観光・自然・花南信州の伝統・文化・史跡 ]
遠山郷のえびす講に欠かせないもの…「塩さんま入り、そばの焼き餅」
囲炉裏の炭火で、お団子の表面が乾くように、軽く火であぶります。
※表面に水分が残っていると、灰の中に入れた時に、灰が取れなくなってしまうそうです。
↑ 炭火の上を、大胆に転がし、表面を乾かします。
表面が乾いたら灰の中に埋め込み、蒸し焼きにします。
「どのくらいの時間焼くの?」との問いにも、「適当な。サンマに火が通るまでだに。一つ食べてみて火が通ったかどうか確かめるんな」という先生…
↑ 灰の中に埋めて、待つこと20分。この時間はとても長く感じました…
さっそく私も一つもらって食べてみると…香ばしく焼けたそば粉の皮に、塩サンマから塩気と脂が程よくしみ出ており、とても素朴で美味です!「熱いうちに食べんと価値がないに!」と言われたとおり、出来立てを食べる料理だと思いました。
先生曰く「今は囲炉裏がないもんで、電子レンジでサンマに火を通して、オーブントースターで焼くこともあるけど、こういう味にはならんなあ」とのこと…炭火でじっくり焼くことも、美味しさの秘密なのかもしれません。
↑ これがホクホクのそばの焼き餅!サンマは程よく蒸し焼きになっています。
農村女性ネットワークのメンバーの「遠山郷はあまごが有名なのに、なぜ塩さんまを入れるのか?」との質問に、先生は「そんなこと知らんし、考えたこともないわ。昔から塩さんまだったに」とのお答え…
私が察するところ、あまごでは脂がしみ出してこないため、このような香ばしさが出ないのではないかと思いました。
また、海なし県の長野県では、冷蔵輸送手段もない昔は、塩サンマはたいそうなご馳走だったのではないかと思います。「えびす講くらい、ちょっと贅沢にサンマを食べよう」ということだったのかも知れません。
「恵比須様はそばが好きだもんで、えびす講には、この焼き餅を作って食べるんな。恵比須様とサンマが関係あるのかはわからん。えびす講が終わると、ここらも寒さが厳しくなるに」
「塩サンマ入り、そばの焼き餅」は、下栗の「民宿みやした」(現在リフォームのため休止中です)や、「高原ロッジ下栗」などで召し上がっていただけます。
※スタジオジブリの宮崎駿監督は、プライベートで下栗に遊びに来られるそうで、2010年公開の作品に「ちゅうずもう」という「天井裏で行われているネズミの相撲。連敗している我家のネズミに力をつけようと、おじいさんとおばあさんがサンマ入りのそば団子を食させて、相撲に勝つようになる」という短編映画も作られているそうです。
12月、遠山郷は「霜月まつり」の季節になりますね。
皆さまも、ぜひお出かけください。
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