南信州お散歩日和 南信州は、広い長野県の南端に位置しています。やわらかい方言が使われ、人も土地柄も温かく穏やかな当地域には、 各所に温泉があり、賑やかなお祭りもたくさんあります。 この地域ならではの魅力を職員がお伝えしていきますので、 南信州にどうぞおいでなんしょ!

南信州お散歩日和

南信州は、広い長野県の南端に位置しています。やわらかい方言が使われ、人も土地柄も温かく穏やかな当地域には、 各所に温泉があり、賑やかなお祭りもたくさんあります。 この地域ならではの魅力を職員がお伝えしていきますので、 南信州にどうぞおいでなんしょ!

しあわせ信州 > 長野県魅力発信ブログ > 南信州お散歩日和 > 南信州の観光・自然・花 > 「自然農」というライフスタイル。大分県からIターンされた猪股さん。

「自然農」というライフスタイル。大分県からIターンされた猪股さん。


【この100m近い細い私道を下った先が、猪股さんのお宅。家の上下に段々畑が広がります。】

「『この洞(ほら)一帯を、自由に使っていいよ』と言われたんです。木も自由に切れますし、山水も引ける。南向きの斜面で、屋根にはソーラーパネルを乗せて自家電力を賄うことができる。
傾斜地なので畑での移動は大変だけど、冬は太陽が直角に当たることで地温は暖かく、夏は太陽が鈍角で当たるため地温はそれほど上がらない。農作物の栽培には適しているんです。もちろん家屋も同様に、冬は日が差し込んできて暖かいです。」


【確かに、結構な斜面で、1m程度の幅の段々畑が続いています。】


【冬の暖房のほかに、お風呂や食事の煮炊きも薪を使っています。木は周囲に豊富にあり、2年間乾燥させた薪を使っているとのことで、3つの薪小屋に、たくさんの薪が積まれていました(お風呂のお湯は、太陽熱温水器も利用するなど自然エネルギーをフルに活用しています)。】


【鶏も飼っていて、卵も自給できます。チャボは、鶏に比べて抱卵(ほうらん)する習性が強いため、鶏の卵をチャボに抱卵させて、鶏の雛も自給します。鶏やチャボの餌も、もちろん自給。】

「将来は山羊を飼いたいんだけど、絞った乳を飲みきれない気もするし…思案中です。」
「味噌や醤油などの調味料やトマトソースなどの保存食も自給しているので、極端なことを言うと、塩と油以外は、ここで調達できます。」とのこと。

「それでも、まったく現金がなければ困りますよね?。」と質問すると…
「定期的に村の仕事を請け負ったり、大分で自然農をしていた時のお客さんへの農産物販売により、必要な現金は得ることができます。」とのお返事。


【ご自宅から離れた場所に水田を借りて、稲作もされています。】

昨年の秋に訪問した猪股さんの田んぼも、草だらけでした。
「春に、よその田んぼの田植えが終わったころ、田植え直前に、生えている草を手で刈り倒して、田植え機を使わずに、一本ずつ手で植えるんですよ。」との説明。

「田植え後は、伸びてくる草をひたすら刈り倒し、稲が生育する手助けを行います。一通りやっと草刈りが終わったと思うと、最初に草刈りした場所の草が伸びているので、また草刈りをします。この繰り返しです。」と笑いながら語ってくれました。


【手で植える苗は1本植えなので(田植え機だと、通常3~5本植え)、一株の大きさは小さく感じますが、1本の苗から10本くらいと、慣行農法よりも分けつ(茎が増えること)の本数は多いとのことです。】


【一枚の田んぼにも、たくさんの種類の稲が植えられています。】

猪股さんは15アールほどの水田で、それぞれの用途に応じた7品種のお米を栽培しています。
刈り取った稲は、はざ干しした後、化石燃料を使わない「足踏み式脱穀機」で籾にします。
この田んぼは自然農を始めて2年目とのことで、猪股さんの感覚では「亡骸の層(刈り倒した草が腐って、たくさんの微生物が棲みついた、通気性の良い層)」が不十分なため、ちょっと収穫量が少ないとのことです。
「ここでの稲の生育や収量が安定してきたら、この田んぼで、自然農の学習会をしたい。」と猪股さんは語ってくださいました。

1 2 3 4

このブログのトップへ

このブログや記事に関するお問い合わせ窓口

南信州地域振興局 総務管理課
TEL:0265-53-0400
FAX:0265-53-0404