2018.03.15 [ 南信州の伝統・文化・史跡 ]
大鹿歌舞伎ワークショップ・歌舞伎教室発表会
企画振興課のRMです。
3月11日に、大鹿村・大鹿歌舞伎保存会・南信州民俗芸能継承推進協議会の主催による「大鹿歌舞伎ワークショップ・歌舞伎教室発表会」が開催されました。
大鹿歌舞伎ワークショップは、本来、10月22日に開催される予定でしたが、台風の影響により急遽中止となり、今回、歌舞伎教室発表会と併せて開催されるものです。会場の大鹿村公民館鹿塩地区館には、前日のテレビ放送(駅前テレビ「もっと!信州77」 )の影響もあるのでしょうか、開演前から大勢の方が集まっていました。
前半のワークショップは「役者ができるまで」と題して、化粧から着付けを経て歌舞伎役者ができるまでの過程を学びます。体験モデルはなんと当企画振興課のSさん。やや緊張の面持ちで登場です。保存会の「竹本登尚太夫」さんが解説と化粧を担当します。慣れた手つきであっという間に隈取が完成です。
続いて着付けです。今回の衣装はなんと約70年前に作られたもので、金の刺繍の部分には水引が編み込んであります。今これだけのものを作るとなると、目玉が飛び出る値段になるそうです。Sさんの話によると衣装は大変重く、着付けるのも結構重労働だと思うのですが、保存会の方が2人掛かりで、てきぱきと着付けていきます。さすがに手慣れたものです。最後にかつらをかぶって「荒武者」の完成です。
せっかく役者になったので「見得」を切る所作にも挑戦します。堂々とした見得に会場から声援が飛びます。
昨年3月に大鹿歌舞伎が国の重要無形民俗文化財に指定された際、役者だけでなく、化粧から着付け、舞台といった「裏方」も自前で行っている点が評価されたそうですが、保存会の皆さんの手際の良さに、改めてそのすごさを垣間見た気がしました。Sさんも立派で格好良い「荒武者」になり、すっかり役者の魅力に取りつかれたようです。貴重な体験をさせていただきました。
後半の歌舞伎発表会は、初めに大鹿小学校3・4年生の「白波5人男 大鹿の段」です。小学校の歌舞伎学習で頑張ってきた成果を発表します。
5人男(女の子ですが)それぞれの堂々とした口上に拍手喝采です。かわいらしい「大鹿軍内」にも盛んにおひねりが飛びます。小学生離れした演技に驚くばかりです。
続いて、大鹿歌舞伎愛好会の若手の皆さんによる「神霊矢口渡 頓兵衛住家の段(しんれいやぐちのわたし とんべえすみかのだん)」です。
若手といっても、出演者の皆さんは本公演でも主役を張る方々ばかりなので、見事な演技です。特にお舟役の「るいちゃん」(このブログでも何度も登場!)にはハートを撃ち抜かれ、思わず掛け声をかけずにはいられませんでした。次回の公演でも、若手の皆さんの活躍が楽しみです。
主催者発表は150人。最後のお手打ち(おシャシャのシャン)がホールいっぱいに響き、大盛況の会となりました。
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