2017.12.26 [ 南信州の伝統・文化・史跡 ]
遠山の霜月祭り~上町・正八幡宮~2017冬
企画振興課のHTです。
師走に入り、寒さが厳しくなってきましたが、南信州地域初冬の民俗芸能と言えば、『遠山の霜月祭り』です。
飯田市上村・南信濃の遠山郷一帯の各神社に伝わる「遠山の霜月祭り」は国の指定重要無形民俗文化財に指定されており、最も太陽の力が弱まり、生命の力が衰える霜月(旧暦11月)に、諸国の神々を招き、湯を立て、神楽を奉納し、五穀豊穣、社会安泰を祈る祭りで、神事や神楽舞の奉納が繰り広げされます。
10の神社がありますが、上町系、下栗系、木沢系、和田系と4系統に区分されています。自分自身、ここ2年間で和田系、木沢系と観覧してきましたので、今年は上町系と思い、12月11日「上町・正八幡宮」へ観覧に行ってきました。
少し空模様や強風を心配しましたが、道路状況も問題なく、午前0時過ぎ神社に到着しました。
神社に祀る神々が登場する面の時間も楽しみですが、他の神社でもありました「襷(たすき)の舞」も個人的に興味があり楽しみに来ました。
早速、社殿に入ると窯の前で禰宜(ねぎ)による神事が行われていました。
その後、禰宜らによる「八乙女の舞」、「花の御神楽」と続き、「襷(たすき)の舞」が始まりました。 袴姿に錦のたすきと鉢巻きの四人の舞です。「扇の舞」と「剣の舞」と二つあり、扇と鈴、剣と鈴を持って舞います。最初は一人ずつですが、途中から二人一組で舞います。指先の扇は流れるように、剣は鋭く二人一組の息の合った見事な舞が披露されました。
次に四人が二人一組となって扇を持って舞う「羽揃(はぞろ)えの舞」です。
午前3時を過ぎる頃には、神仏や森羅万象に捧げる「鎮めの湯」となりました。禰宜らが両手で五大尊の印を結び、呪文を唱え、舞も奉納されます。
それが終わると、「日月の舞」で招待した一宮をお返しし、以後は「御座の神」の祭りとなって、いよいよ「面」の登場です。気が付くと観客の数も着いた頃と比べ、倍以上に増えています。
最初に登場したのが、「神大夫」と「姥(ばば)」です。ばばの手には榊の枝を持っており、観客を祓い、ときに叩いて回ります。叩かれるとご利益があるわけですが、強く叩いていたり、周りも囃したてたりして場が盛り上がります。
続いて、八社神が順次、湯釜の周りをゆっくりと2周舞います。幸いな事に間近で鑑賞することが出来ました。
次に、「稲荷」と「山神」が登場しました。「稲荷」は狐面で全身が真っ赤な装束で、ちょっと動きがコミカルな感じ、身軽に動きまわります。「山神」は対照的にどっしりとした動きです。
2周目には、2面とも社殿の四返を大きく飛び、氏子・観客が受け止めます。この時はみんな「ヨーッセー、ヨーッセー」と囃したて、足を踏みならします。凄い盛り上がりです。
続いての「水王」と「土王」の登場で、社殿内は、更に興奮が高まります。
煮えたぎる湯を素手で周囲にはねかけます。是非、正面から観たいと思い、移動しようとしましたが、沢山の観客のため、窯の横で待機しました。いよいよ社殿内の盛り上がりが最高潮になった瞬間、湯切りが行われ、なんと!このご利益がある湯を自分も浴びることが出来ました。ラッキーです。
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