2013.09.11 [ わたしたちの仕事 ]
より乾いた木質チップを届けるための取り組み! ~その4~
新たにアカマツの乾燥試験を始めましたので、ご報告します。
「あれ、佐久にはカラマツがたくさんあるし、元々水分が少ないから
カラマツを試験するんじゃなかったの?」
確かにカラマツは有望な木であり需要もあるのですが、アカマツ
は危機というか、瀕死というか、今とにかく何か手を打たなければ
ならない状態なのです。
かつてアカマツは日本家屋になくてはならない木材でした。特に
梁(はり)材として柱と柱の間に据えられ、それが建物をしっかり
支えていました。ところが、安い外国産材に押され、日本家屋を建
てる大工さんも減って、アカマツは使われなくなりました。
さらに追い討ちをかけたのが、「松枯れ」です。カミキリムシが
広めていくこの病虫害は佐久でも当たり前に見られるようになって
しまいました。カミキリムシは枯れた幹や伐採して放置した幹や枝
に卵を産みつけ、育った幼虫は翌年6月中下旬頃成虫になり、生き
ているアカマツに飛んでいきます。
http://www.pref.nagano.lg.jp/shinrin/sangyo/ringyo/hozen/documents/shiryou1_5.pdf
(↑長野県 松くい虫対策のページ)
木材は切り出してから、野外で保管しておいて様々な用途に使わ
れるということが一般的ですが、アカマツは卵を産み付けられる恐れ
があり、「利用しづらい木材」という烙印を押され、より一層マツ
離れが加速しました。
その結果このように一番価格が安い樹種になってしまっています。
曲がりの多いアカマツはさらにこの半値近くになっています。
そんなアカマツですが、弁護させてください。
アカマツは他の樹種と比べて、乾燥した地面や岩場にもがっしりと
根を張り、崩れないようがんばってくれている木です。アカマツのおかげ
で急斜面が支えられているところもめずらしくありません。
また皆さんご存知マツタケと共生している木です。長野県はマツタケ
の生産量が日本一であり、その座を維持するためにも適切な手入れや若返り、
アカマツ自体を減らさない努力が必要です。
そう、そこで今こそ被害材も含めたアカマツのチップの利用です。
こりゃあ、なんとかしないと!
とアカマツの復権も胸に秘め(別に秘める必要はないのですが)、
私たちは試験地に向かったのでした。
次回は実際の作業の様子です。
このブログへの取材依頼や情報提供、ご意見・ご要望はこちら
佐久地域振興局 総務管理課
TEL:0267-63-3131
FAX:0267-63-3105