2017.03.10 [信級玄米珈琲・炭農家うえの 植野翔さん]
玄米珈琲×山里ビジネス vol.1
信級(のぶしな)は、長野市信州新町から西に、ひと山隔てた場所にある集落です。昭和30年に上水内郡信州新町になるまで、信級村だったこの地にはかつて1300人が暮らしていました。現在は約60世帯、120人ほど、過疎化と高齢化が進むいわゆる“限界集落”です。
のどかな風景が広がる信級で、農業と炭焼き、そして「信級玄米珈琲」を作る植野翔さん。植野さんが暮らす、築70年を越える古民家を訪ねました。
自然の中で暮らす人たちが、かっこよく見えた
- 植野さんはもともと東京の出身ですよね。なぜ長野へ?
大学では建築を専攻していて、地域づくりや街づくりについて学ぶ研究室にいたんです。そこで、長野市の信更(しんこう)町へ行く機会があって。そのつながりが、最初ですね。
- 地域づくりに興味があったんですか?
うーん、地域づくりにはそんなに興味がなくて(苦笑)。何か、田舎に関わることができるかもと思って、その研究室を選びました。
- 田舎に?
9.11、アメリカ同時多発テロ事件があったときに、この社会の中でこのまま生活していくことに疑問を感じ、自給自足の暮らしについて考えるようになったんです。もともと田舎に縁もなく、観光で行くことはあっても人が住んでいるところに足を運ぶことはなかったんですが…。
- 実際に、信更町に来て、どうでしたか?
それまで僕の周りにいる人は、会社に勤めている人ばかりでした。自分も就職活動をして、どこか企業に入るのが普通なのかなと思っていました。でも、信更町へ来たら、そういうのとは違う人たちがいて。知らなかっただけで、こういう暮らしもあるというか…自然の中で暮らすことのほうが、普通のことなのかもしれない。自分には向いているのかもしれないと思いました。
- 東京では出会わないような人たちと出会ったんですね。
学生という立場だったこともあって、いろいろな方と話す機会がありました。住んでいる人のたくましさというか、もう、とにかくかっこよく見えたんです。自分たちの暮らしをつくっている大工さんや左官屋さんなどは、それまで全く接点がなかったので、新鮮に映りました。
- それで、卒業後に移住を。
最初は、学生のころの知り合った移住者の方の家に居候しながら、千曲市の果樹園でアルバイトをしていました。
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