2016.11.14 [軽井沢町有害鳥獣対策専門員 小山克さん]
里山×鳥獣対策 vol.1
これまでにも何人かご紹介してきましたが、長野県内には個性豊かな山岳ガイドがたくさんいらっしゃいます。その中で、「クマに精通した山岳ガイド」として目に留まったのが、今回ご登場いただく、小山克(こやま まさる)さん。
小山さんは、以前は、エコツアーや環境教育事業を手掛ける「ピッキオ」の社員として、そして今は軽井沢町で有害鳥獣対策専門員として野生動物対策に尽力しています。役場に向かい、お話を伺いました。
野生動物対策は町づくりの一環とも・・・
- 有害鳥獣対策専門員、というのは何をしているんですか?
普段は主にサルの対策をしています。軽井沢町では、動物ごとに委託先が決まっていて、サル=町、クマ=NPO法人「ピッキオ」、シカ・イノシシ=猟友会、アライグマ、ハクビシン=NPO法人「生物多様性研究所あーすわーむ」となっています。
- 町はサルの対策を担当しているのですね。具体的にはどんなことを?
今は、2人1組2班体制で連日朝6時半から夕方まで、追い払いを行っています。私ともう一人のスタッフが対策専門員として、あとサル専属のスタッフが5人います。群れをできるだけ別荘が少ない山の奥まで追い上げています。最近はこの役場の周りまでは来ることが減りました。
- 以前はこの辺りにもサルが?
役場の屋根にもいましたよ。離山(はなれやま)を中心とした、住宅地、商業地エリアから、奥山側の別荘地エリアまで広く行動していました。
- 数は、どのくらい?
私たちが「K群」と呼んでいる一群が、現在、25頭前後生息しています。家の中に侵入したり、ベランダに糞をしたりという被害が出ています。捕獲する場合、国道18号線の北側は国に保護区に指定されていますし、住宅地、別荘地付近になると、基本的に銃は使用できません。
- 確かに、この辺りで銃を使うわけにはいかないですよね。
あと、群れの中には集団同士(個体間)で優劣の力関係があるので、影響力の強いサルを捕獲してしまうと、群れが分裂してしまう恐れがあります。分裂して被害が拡大したという地域も多くあるので、慎重に対応しています。
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