2015.10.28 [株式会社ヤマレコ 代表取締役 的場一峰さん]
山×プログラマー vol.2
的場さんが会社員として働く傍ら、制作・運営していた「ヤマレコ」。2013年、12年と2カ月勤めた会社を辞めて起業し、翌年には松本に移住するという、人生の大きな転機を迎えます。その背景にあったものとは…?
気持ちが切り替わったタイミングを大事にしないと、手遅れになるかもしれない
- 会社員を辞めて起業、というのは結構勇気が要りますよね。
「ヤマレコが成長している」という感覚があったのが大きかったですね。「ユーザーがいる」=「サービスとして魅力がある」という自信はありました。市場としてはニッチで、大手企業が入ってくることはあまりないと思っていたので、この分野に絞ってやれば、ある程度はいけるだろうと。
- もともと独立願望は?
それはあまりなかったですね。実は起業する前の1年間は、アメリカに留学していたんです。シリコンバレーにいて、いろんな人が起業するのを目の当たりにして。
- そのときに的場さんも?
いえ、そのときに思ったわけじゃないんです。留学中も「ヤマレコ」はやってましたけどね。アクセスが耐えきれないからサーバーを増やさなきゃって、ゴールデンウィークに帰国して、秋葉原でパソコンのパーツを買って組み立てて、データセンターに置いてアメリカに戻って(苦笑)。
- じゃあ、きっかけになったのは何だったんですか?
帰国して半年くらい経ったころ、同じ機能を持ったサイトがリリースされるというニュースが入ってきたんです。でも、自分はもう忙しくて新しい機能を作ることができなかった。ユーザーからの問い合わせの対応に平日はかかりきりになっていて、何かやろうとしても週末にまとめて時間をとる以外の方法がなかったんです。両立が難しくなってきた。
- それで「ヤマレコ」の方を選んだんですね。周囲から反対されませんでした?特に、奥様とか。
収入面でも何とかなりそうな目途は立っていましたし。辞めること自体に、妻は何も言いませんでした。ただ、すぐ辞めると留学費用を返さなきゃいけなかったので、「3年待て」と(笑)。
-でも…待てなかったんですね(笑)。
ホワイトボードに「あと何カ月」と書いていても、数字が全然減らないんですよね。それで、やっぱり辞めるわ、って。気持ちが切り替わったタイミングを大事にしないと、あとで同じことができるかというとそうでもないだろうし、手遅れになるかもしれない。
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