2016.03.22 [株式会社柳沢林業 代表取締役 原薫さん]
林業×女性経営者 vol.1
今回は、登山の山ではなく、人里近くにある生活に結びついた「里山」の話です。
かつては、薪を取りにいったり、山菜を採取したりと暮らしの近くにあった森や林。薄れつつある関わりを取り戻し、今だからこそのつながりをつくろうと取り組む人たちが近年、増えてきています。
20代前半で林業に魅せられ、その世界に飛び込んだ原薫さん。2013年に柳沢林業の社長に就任し、身近な「山づくり」に尽力しています。林業の仕事、その魅力について伺いました。
山と人が生かし生かされる-その文化を継承したい
- 女性で林業、しかも社長というのは珍しいですが、もともと山や森林に興味が?
出身が神奈川県なので、子どものころは山といえば、遠足で行った高尾山や、臨海学校で登った箱根の山くらいでした。大学で女子サッカー部に入ってすぐに筑波山まで走らされて…どちらかというと、いい印象はなかったですね(苦笑)。
- そうなんですね。じゃあ何がきっかけでこの道に?
大学3年生のときに受けた、樹木学の授業が面白くて。どんな木を、どんなふうに使うのかということに興味を持ちました。それで、その年の夏にあった実習に連れていってもらったんです。
- 実習?どんなことをするんですか?
静岡の井川に演習林があるんですが、先生と山の中を歩きながら、採集をして標本づくりなどをしました。そこで初めて、山もいいなって思いましたね。
- 良かった、いい印象になって(笑)。
そこにいた技官の方が、山菜やきのこを採ったり、魚釣りや狩猟をしたりしていて、「興味あるなら来る?」と誘われて。先輩たちと一緒に遊びにいくようになりました。秋には南アルプスの聖岳に登ったんですが、それが本格的な初登山ですね。
- 登山してみて、どうでしたか?
南アルプスはアプローチしづらいこともあってか、人もあまりいなくて、山に入ると人の気配を感じない。「こういうところがあるんだ」と感動しました。初日は小屋まで行って、翌朝、ピークを目指して出発したんですが、進むにつれて森林限界を越えて木が減っていって、緑のじゅうたんのように見える風景、山の稜線…本当にこの世とは思えないくらいにきれいでしたね。このまま下界に降りたくないと思いました。
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