2016.03.26 [長野県山岳総合センター 所長 杉田浩康さん]
山岳総合センター×安全登山 vol.2
働きながら山登りを続けていた杉田さん。57歳でそれまで勤めていた会社を辞めて、山との関わり方を新たに模索し始めました。
多彩な楽しみ方に合わせた知識を
- 退職後に、登山学校を立ち上げていらっしゃいますが。
自分が始めたころは、山に登ろうと思ったら山岳会に入るのが当たり前でした。講習料なんて払わなくても、先輩に山のことを教えてもらえる。まあ、その代わり上下関係やきまりはあるんですが…。今は、山岳会に入る人はすっかり減りました。そんなこともあって教えるのもいいかな、と。
- 反応はどうでしたか?
ホームページを作って募集をしたら、思ったより人が来まして。2、3人くらいかなと思っていたら14、5人も来て、びっくりしました。
- ニーズがあったんですね。
2010年12月にホームページを公開して、翌年の6月から基礎講座を始めたんですが、1年間で23回の講習、延べ120人が参加してくれました。結局、センターの話が出て、1年でストップすることになってしまったんですけど…。でも、基礎講座でやろうと思っていたことは、センターでも引き続き取り組んでいます。
- センターではどのようなことを?
今は、講習も多彩になりました。40年前は若者しか山にいなかったのが今は20代から70代まで、年代も幅広いし、山に登る目的も変わってきましたからね。昔は頂上や、難しいところを制覇したいという目的で行っていたのが、今は、景色を楽しめればいいとか、あの山小屋に泊まってみたいとか、楽しみ方も人それぞれです。
- 楽しみ方が多彩になってきているんですね。
でも、山のリスクはそんなに変わらないんです。誰でも登れるわけではないのに、いろいろな人が来てしまう。難しいことに挑戦しようという人は、準備も心構えもしてきますが、小屋に泊まってみたいという人は…。
- 目的が違えば、意識も違う。
皆に、同じことを同じように教えるわけにはいかないから、それぞれカテゴリー別に分けて講習をしないと意味がありません。若い人と年配の人が一緒だと、講習がうまく進まないことも多いですし。お互いのペースで学べるようにしないと。
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