2014.11.07 [登山ガイド(白馬村) 池尻裕美さん]
趣味の「山」から、お客様を案内する「山」に
- 行ったことのあるコースでも改めて下見に?
一度行ったことがあるルートでも、必ず行きます。下見と当日で同じルートを2回歩くことにはなりますね。天候や人数によって気をつけなければいけないポイントは変わりますし、山には何かしらリスクがあるものなので。私自身、ガイド業で一番大事なのは下見だと思っています。
幸運なことに、私は今まで大きなトラブルに見舞われたことはないのですが、ガイドの先輩からは途中でケガや体調を崩す人、あとは「休憩が短い」「もっと早く歩きたい」など、機嫌が悪くなる人もいると聞きます。団体の場合はどうしても、ペースが一番遅い人に合わせて歩くことになるので、そこをどう調整するかは難しいですね。あとは、危険だとお伝えした場所ではお客様も緊張しているんですが、意外と最後のなだらかな道で転んでしまうということがあるので…集中力を切らさず、最後まで気を抜かずにいられるようにするのも大切です。
- ガイドをしていて大変なことや楽しいことは何ですか?
今のところは大変というよりも楽しさのほうが大きいです。帰ってきたら、がくんと疲れが出るということはありますが、仕事中はとにかく楽しくて。お客様から学ぶことがたくさんあるのも、ガイドの面白いところです。50代、60代の方が多いのですが、自分が行ったことのない山のことや人生の話なども(笑)。山以外のこともいろいろ勉強になります。旅行会社のツアーを担当することもあるのですが、「女性のガイドさんで良かった」「池尻さんがガイドをするツアーに参加したい」と言ってくれるお客様もいて、本当にありがたいなと思います。
「お客様から元気をもらって、私も元気を差し上げて、長い行程でも楽しく歩いていける」と話す池尻さん。山に登ること、そしてガイドの仕事が好きだと言うことが、その表情からも伝わってきます。次回は、仕事を始めてから変化したことや、これからの目標をお聞きします。
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