2014.09.22 [goat(長野市)代表 山岸惇さん]
山で遊んでいるからこそ、魅力を伝えられる
「どんなところでも、いつでも行きます!」というキャッチフレーズ通り、さまざまな山岳アクティビティにもカメラを片手に同行する山岸惇さん。その様子を臨場感ある写真と文章でレポートしています。
先日はさまざまな山岳アクティビティが体験できる「ナガノアウトドアフェスティバル」を開催。長野を「アウトドアの聖地」として世界的に発信するために奔走する山岸さんに、現在の活動と今後について伺いました。
これからの人たちを、長野に呼びたい
- 前回お伺いしたアウトドアの三種の神器、情報=ウェブサイト、体験=アウトドアフェスティバルですが、コミュニティというのは?
「アウトドア酒場」という構想があります。山へ行く前に話を聞いたり、仲間を見つけたりできるようなコミュニティの場ですね。例えば、山に持っていく行動食の試食や、アウトドアグッズを使ってコーヒーを入れるなど、山へ行く練習にもなるし、皆でワイワイやれば楽しい。行動食もおいしいものが増えてきましたし、自分が好きな味のものを持っていくと、それを食べる楽しみもできてモチベーションもアップします。
今年の7月には、戸隠のそば店・山口屋とコラボして「月灯り酒場withアウトドア酒場」を開催しました。今後は、長野市内のIT企業のオフィスでも予定しています。今はイベント出店ですが、いずれは実店舗を持ちたいです。
- 三種の神器がそろうのも、そう遠くはないですね。
まずウェブサイトの情報で「おっ、いいな」と惹きつけ、そこを入口にして次は体験できる場所を設ける。ときどき遊びに来るというのもいいですが、僕はやはり、移住まで考えたいと思っています。長野には、山好きな人が住みたいと思う魅力が充分にある。そのためにも集える場、シーンが必要です。「何だか楽しそうだし、住んでみてもいいかも」「あそこへ行けばきっと仲間が見つかる」と思ってもらえるような場所があれば、移住の後押しになると思います。
- 山が好きで、実際に移住したという人の話もよく聞きます。
若い人たち、これからの人たちを長野に呼ばないといけない。自然豊かで静かに暮らせる田舎=終の棲家、というイメージだけではなくて、自然の中でさまざまな遊びをもっともっと生み出せるようなパワーを持った人たちがたくさん来れば、長野は変わります。僕は、20~30代の移住者を獲得するには、この切り口しかないと考えています。
長野は関東、関西、中京と3つの都市圏からアクセスできるという地の利もあります。雪や雨が降るので、ウィンタースポーツも川下りもできるし、水が豊富で森があるからこそ、マウンテンバイクやトレイルもできます。交通面でも、自然地形でも、本当に恵まれていますよね。
アウトドアで長野県、日本を代表する会社を目指して
- これまで山岸さんが取材したものを見ると、自然の迫力に圧倒されます。
今は一緒に面白がってくれる仲間がたくさんいますが、最初は本当に一人でさまざまなことに挑戦しました。昨年10月に密着取材した長野と新潟で行われた「アドベンチャーレース」は、トレッキング80km、マウンテンバイク110km、ラフティング63km、キャニオニング8kmという総距離260km以上を、昼夜問わず4日間、地形図とコンパスを頼りに走り続けます。過酷な状況の下、サバイバル能力を競うレースで、僕自身も相当きつかったのですが、多大な影響を受けました。
実は、アドベンチャーレースにはワールドカップがあります。これまでアジア圏での開催は一度もなく、そのため日本での認知度は低いのですが、その誘致に向けての活動も行っています。500kmのコース設定をする必要がありますが、長野県ならそれも可能です。誘致するためにスタジアムなどを作る必要はありません。会場は既にある。人間がどんなに頑張っても作ることができないフィールドがもうあるんです。
もし、ワールドカップが長野で開かれれば、注目度が一気に上がります。期間中だけではなく、開催後にも世界中から人がやってくるはずです。もともと、冬季オリンピックがあったので、世界的にも「NAGANO」は認知度があります。今年、「信州山の日」も制定されて、こんな追い風はないですよ。
- 山岸さんの今後の目標は?
僕が何をしたいかというと、一生遊びたいんです。それには誰よりも圧倒的に遊んでいないといけないし、真剣に遊ばないといけない。そしてそれを人に伝えていきたいと思っています。
「goat」はまだ会社でも任意団体でもなく、僕の話から可能性を感じてもらった仲間が有志として協力してくれているチームですが、いずれは会社にしたいと考えています。自ら体験したことを、オリジナルのルートとして商品化していく。長野でしかできないプレミアムツアーを企画して、どんどん売り込んでいきたいです。
- 長野にいるからこそできることですね。
最初は正直、「レジャー版の『じゃらん』ができればいいな」くらいの気持ちでした。でも徐々にこれは違うと思い始めて。長野の自然の魅力に導かれるようにして、今に至ります。「アウトドアの聖地」の可能性を皆も感じてくれたからこそ、仲間も増えて短時間でここまでこれたのだと思います。
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