2014.11.07 [登山ガイド(白馬村) 池尻裕美さん]
趣味の「山」から、お客様を案内する「山」に
登山において大切なのは、安心して楽しめること。そのために頼れる存在なのが登山ガイドの方々です。長野県には、県知事認定の登山ガイド「信州登山案内人」や、各地域に登山案内人組合があり、地元の山々に精通した案内人・登山ガイドとして活躍している人がたくさんいます。
3回目となる「信州魅力発掘人」に登場するのは、白馬でガイドとして仕事を始めて3シーズン目となる池尻裕美さん。「とにかく体を動かすことが大好き。できることならずっと登っていたい」と笑顔を見せる池尻さんに山のこと、ガイドのこと、そしてこれからのこと-シーズンオフにお手伝いしているという白馬の和食処「和(なごみ)」でお話を伺いました。
「とりあえず取っておこうかな」-軽い気持ちで受けたガイド試験
- 池尻さんが山と関わるようになったのはいつごろからですか?
最初は高校生のころ、兄に連れていってもらったスノーボードです。初めてのスノーボードは全然滑れなくて、すごく悔しい思いをしました(苦笑)。出身は岡山県で、もともとスポーツが大好き。中学・高校はずっとバスケットボールをしていました。
20歳を過ぎて、本格的にスノーボードを始めました。栂池高原スキー場で、とにかく上手い人の後についていくという「自己流」で滑っていましたね。2シーズンは栂池で過ごして、夏は岡山へ帰っていたのですが、こちらで仲良くなった友人から「6月いっぱい滑れるところがある」と聞いて、立山黒部アルペンルートへ。そこで通年バイトしながら、過ごすようになりました。
- スノーボードがきっかけだったんですね。
それから5年くらいは、立山と北海道のニセコひらふスキー場(現:ニセコマウンテンリゾート グラン・ヒラフ)を行ったり来たりしていました。ずっと寮生活だったのですが、そろそろ拠点となるようなところを作ったほうがいいかな…と考えて。立山には友人がたくさんいたのと、岡山にも近いと思ったので、こちらに住むようになりました。
- ガイドになったのはいつごろですか?
立山でバイトしている間に、「長野県のガイド資格があるよ」と教えてもらって、信州登山案内人の試験を受けました。そのときは仕事にしたいと思っていたわけではなくて、何となく興味を持ったので受験した感じです。ずっと山の近くにはいたので、せっかくだから取っておこうかな…くらいの気持ちですね。試験は筆記と実技があって、実技の方は安全確保技術(確保技術・下降技術)、搬送技術があるのですが、ロープを使うことがそれまで全くなかったので、知り合いにお願いして、一から教えてもらいました。
実は登山も、雪がない期間は山に登るくらいしかないから…という感じで始めました。でも、立山は比較的楽に行きたいところに行けて、ご来光も夕日も見ることができる気軽に楽しめる山だったので、どんどん山の魅力にはまっていきました。趣味で登山していた期間は長いのですが、ガイドとしては3年目。まだまだ新米です。
ガイドで一番大事なのは下見
- 普段はどのようなコースを案内しているんですか?
白馬山案内人組合や、白馬村の白馬マイスターにも登録しているので、組合や村、あとは旅行会社から依頼をいただいて案内をしています。日帰りだと八方池や栂池自然園、泊まりだと、稜線に出るコースもあります。日本山岳ガイド協会の登山ガイドの資格も持っているので、他県の山に行くこともあります。私は、下見に行けるところであれば仕事を受けますが、行けないところは受けません。コースタイムや休憩場所など、事前に情報はありますが、そのときによって気をつけなければいけない場所も異なるし、毎回お客様も違うので。
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