信州魅力発掘人 信州に魅せられ、活動する人たちの言葉には「信州の魅力」が凝縮されています。信州の魅力を掘り下げ、それを語る「信州魅力発掘人」。山の強さ、美しさ、厳しさ、素晴らしさを知る人たちが「山の魅力」を伝えます。

信州魅力発掘人

信州に魅せられ、活動する人たちの言葉には「信州の魅力」が凝縮されています。信州の魅力を掘り下げ、それを語る「信州魅力発掘人」。山の強さ、美しさ、厳しさ、素晴らしさを知る人たちが「山の魅力」を伝えます。

雲の上のパン屋×ヒュッテオーナー×山 vol.1

日本で一番高いところにあるパン屋さんを知っていますか?
志賀高原・横手山の「横手山頂ヒュッテ」にある「日本一高いところの雲の上のパン屋さん」。数多くのメディアで紹介されているので、ご存知の方も多いかもしれません。
横手山は標高2,307メートル。その山頂から10分ほど歩いたところにある同ヒュッテ。
「なぜこんな場所でパン屋さんを始めたのか知りたい」と思って尋ねると、迎えてくれたのは同ヒュッテの二代目・高相重信さんでした。

納得いくものができるまで、10年かかった

- パンのいい香りがしますね。

普段は朝、9時半ごろから販売してます。今は、息子と嫁さんが作っていて、お客さんが多いときは、午前中も焼いています。

- どうしてここでパン屋さんを?

うちの女房が神戸出身なんです。もともと、我々のような山をやる連中はパンじゃなくて米。2杯も3杯もご飯を食べて、山を歩いて。山へ行っても、飯盒でご飯を炊いたり、インスタントラーメンを作ったりするでしょう?だから、パンというと間食みたいなものでした。

- 主食というより、おやつという感じですね。

でも、お客さんはパンを持ってきていました。コッペパンとかフランスパンとか日持ちするものなんですが、それを見ていたらパンもいいな…と。でも、毎日下から歩荷してくるわけにもいかないし、山小屋で餅つきはやるから、パンを焼くのも悪くはないかって始めたんですが、これが結構大変でした。思ったようなパンになるまでは10年かかりました。

- 10年も…!

始めたのは昭和40年代。最初は普通のガスオーブンで焼いていましたが、熱の回りがうまくいかなくて乾パンみたいになったり、発酵させるのも思い通りにならなかったり。

- 標高が高いと、勝手が違うんですね…。

それでいろいろ工夫しました。写真を撮っていたので現像機を持っていたんですが、それをいつも温めておかなきゃいけない。そこから思いついて、中に水を入れて蒸気を出せば、ちょうどいいんじゃないかって。それを小さいオーブンで焼くようにしたら、徐々にパンらしくなってきました。

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