自然と遊ぼう!ネイチャーツアー

~自然に触れる、学ぶ、そして守る~ 自然環境や生物多様性、自然体験型ツアーについての情報をお届けします。

苗場山(天上の楽園、栄村)

前回につづき、もうひとつ天上の楽園の紹介です。
北信濃の長野と新潟の県境に、苗場山(標高2145m)という山があります。

苗場山は、今から数十万年前に活動した成層火山で、山頂付近には火山活動の終わり頃に流出した最上部溶岩層がつくった広い平坦地があります。この地形と、冬季の多雪、そして冷涼な気候の条件下で、見事な高層湿原が出来ています。



日本列島の山地湿原の大部分は、中部山岳地域から東北の脊梁山地にかけて分布しています。そして、そのほとんどは比較的新しい火山地帯の上にあります。火山地帯に湿原があるというのは偶然ではありません。その理由は、①山上にある平坦地 ②何層もの透水性の異なる堆積層の堆積 ③頻繁な川の堰き止め といった火山活動がつくりだす特有の環境が、ちょうど湿原を生み出しやすい条件になっていると考えられるからです。

苗場山の高層湿原内には池塘(ちとう)と呼ばれる大小さまざまの天然の池があります。その景色は、いかにも神さまがつくった田んぼ(苗場)のようです。涼風にワタスゲが白い穂をゆらすこの天上の楽園で、夢見ごこちで歩いていると、ときおりアマツバメが大きな風切音を立てて湿原をかすめてゆくのに驚かされます。ただ、これまでの人の踏みつけによって数千年以上の年月をかけて堆積してきたと思われる泥炭層がところどころ侵食を受け、裸地になってしまったり、池が干上がってしまったりした場所もあり、そこでは国や県などによる湿原の保全対策がすすめられています。

苗場山山頂には、栄村の小赤沢にある登山口から徒歩3~4時間ほどで登ることができます。山麓の森をぬけると、突然地形が変わり、広大な湿原がひらけます。8月のお盆前、下界はまだ30℃を超える残暑でしたが、山の上は20℃をきる別世界でした。

  苗場山にて

  ~ 神の田に映る間もなし あまつばめ ~

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