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霧ヶ峰高原、美ヶ原高原でニホンジカ食害防除のための忌避剤散布を実施しています

皆さん、こんにちは!  自然保護課です。

植物を食べ尽くしてしまうニホンジカは、全国各地で問題になっています。

特に、一面咲いていた花が食べられてしまい、別の植物に変わってしまった高原や高山の風景には衝撃を受けるものがあります。

シカ食害を防ぐには多くの場合、柵を設置して食害を防ぐ方法が取られますが、山の上の場合は、資材を運べない、地形が険しい、積雪量が多い等、柵の設置が難しいことが多々あります。

そうした場所での防除方法として、忌避剤を付着させ、ニホンジカが好まない植物にする、という取り組みを行っています。使用しているのは、すでに販売されているニホンジカ忌避剤(商品名:ランテクター、主成分:卵黄)です。本来は樹木用の忌避剤ですが、草本植物へ適用するための試験を行った結果、2017年11月に草本植物への用途拡大が認められました。

草本植物への防除効果はすでに認められているのですが、現場でどんな使い方をすればシカ食害を防除し、開花植物を守ることができるのか、散布方法やタイミングについて試しています。

取り組んでいる場所は、ニホンジカの多い霧ヶ峰と美ヶ原です。シカがいなければ数多く咲くはずのアザミとニッコウキスゲを対象に、忌避剤の活用方法を検討しています。

今日は取り組みに協力していただいている、保土谷アグロテック株式会社と大同商事株式会社と共に、開花植物の状態を観に行きました。

霧ヶ峰高原車山肩

 

ニッコウキスゲが咲き始めました。防護柵を撤去して2晩、忌避剤を散布した区画のほうが花が多く咲いています。ニッコウキスゲは、ニホンジカの嗜好性が高い植物なので、今後続く開花シーズン中、忌避剤だけで食害を防除できるでしょうか。

忌避剤を散布してないキスゲは、草むらのなかでもしっかり齧られています。キスゲは葉も花もつぼみもニホンジカの大好物です。

 

 

 

美ヶ原高原

ニホンジカも嫌がるアザミの棘

ニホンジカも食べないアザミの鋭い棘アザミの開花はもう少し先です。アザミは大きな棘があるので、葉が食べられることはありません。花をつけ咲き始める頃に、花の部分だけが食べられてしまいます。昨年は2割しか開花せず、残りの8割は全部シカに食べられてしまったそうです。開花までいくでしょうか。

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