2025.06.21 [ 安曇野市松本農業農村支援センター ]
真々部の行人様
皆さまこんにちは。農行農村支援センターのメモ帳3p目です。
安曇野市の旧豊科町真々部地区。目指す場所は一日市場駅から諏訪神社の方へ下って、
そこから田畑の広がる道をぶらぶら南東へ歩くと目的の小さな社があります。
のぞいてみれば、おじいさんたちの談笑の場になっており、帰られる頃に
お賽銭箱をのぞけば未開封のお~〇お茶や小銭がばらばらとお供えしてありました。
それから何度かのぞくたびに「お茶」があります。
新品で未開封のお茶がちょん、と置いてあるのです。
そして大量の急須。
はて?と思い、この社の看板を初めて読み、そして豊科の民話集を開きました。
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真々部の村にある行者様がやってきて、村人たちの病気を治していきました。
村人たちは村に庵を建てて行者様に住んでもらい、「行人様」と呼ぶようになりました。
大変な水害が起こっても村人と行人様はともに苦難を乗り越えていきました。
ところが、はやり病が蔓延して、次々と村人たちは倒れていってしまった。
行人様は思った。「良くしてもらった村人たちのために生き仏になる時だ。
これから村の衆が病気にならぬよう、祈っています」
行人様が穴に入り、村人たちは泣きながら竹筒からお茶を注いで七日七晩、
八日には鉦の音は絶えてしまいました。
それから、行人様からかりた急須でお茶を飲むと病気がよくなると言われ、
良くなったら急須を二つ返すようになりました。
『あづみ野・豊科の民話』安曇野児童文学会 2001
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