2024.01.20 [ 松本地域の市村松本農業農村支援センター ]
話題の4パーミル・イニシアチブとは何か
こんにちは!農業農村支援センターのYです。
突然ですが、4パーミル・イニシアチブという言葉をご存じでしょうか。
4(フォー)パーミル・イニシアチブとは、農業分野から脱炭素社会の実現を目指す取組のことです。
「土の中の炭素量を年間4パーミル(0.4%)増やすことで、人々が大気中に排出しているCO2増加分を相殺し、CO2増加量を実質ゼロにできる」
という考え方に基づき国際的に取り組まれています。
今回は松本地域の取組を紹介します。
果樹では冬場にせん定作業が行われますが、そのせん定枝がこの炭素貯留に大いに役立ちます。
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毎年発生するせん定枝
リンゴ、ブドウ、モモなどの果樹は、光合成によりCO2を吸収し、枝に炭素を貯留していますが、その枝はせん定後に焼却されると、吸収したCO2を大気中に戻してしまいます。
そこで、せん定枝を炭化させて土の中に貯留する取組が一部で行われています。炭は土の中でほとんど分解しないため、半永久的に炭素を貯留することができ、大気中のCO2を削減することができます。
では、どのように効率的にせん定枝を炭化させればよいのでしょうか。
そこで使われているのが、県内の企業である(株)モキ製作所の「無煙炭化器」が使われています。
専用の無煙炭化器を使うことで、せん定枝を炭にする際に煙の発生が少なく、効率的に炭にできるのです。
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(株)モキ製作所の無煙炭化器
使い方は簡単で、まずはこのように新聞紙等を着火剤として活用し、火を着けたら燃えやすい細い枝から投入していきます。
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焼却中(煙の発生は少ない)
十分に炎の勢いが出てきたら、枝を連続的に投入し続けます。
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炭化したせん定枝
せん定枝を投入後、炎が見えなくなるまで待ち、炎が出ている炭材がなければ炭化完了です。
炭化させた炭を果樹園の土の中に貯留することで、土壌改良材として土壌を豊かにするため、高品質な果物づくりにも役立ちます。
農業農村支援センターでは、このせん定枝の炭化の取組を生産者に知ってもらうために、実演会の開催や生産者へ貸出しを行い、取組を推進しています。
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実演会の様子
興味のある方は、各地域の農業農村支援センターへお問合せください。
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