こんにちは、松本空港管理事務所のオスカー・マイクです。
皆さん、『信州まつもと空港』の滑走路を黄緑色のボルボが走っているのを見かけたことはありませんか?
何で、ボルボなの? それも、何で黄緑色なの??
空港管理事務所の担当者が、派手な色の外車好きだから???
違います!!(当所には、派手な色の外車好きも、いるにはいるのですが・・・。)
実は、このクルマ、空港管理を行う上で、とっても重要なクルマなんです!
前回、『滑走路の秘密!!~一般の道路との違いって??~』でもお伝えしたとおり、滑走路には、とても重くて、とても速い航空機がスリップしないよう「グルービング」という滑り止めのための横断方向の溝きりが施されています。
ただ、信州 松本平に位置し、標高657.5mと「日本一、空に近い空港」である『信州まつもと空港』は、長野県の北部などに比べて積雪は少ないものの冬期には、もちろん滑走路上へ積雪することも。
積雪した滑走路は、こんな感じ。
積雪の状況も、このようにうっすらと積もった状況から
このようにがっつり積もった状況まで、さまざま。
そのような時には、基本的に、午前8時30分からの運用開始時間前に除雪が完了するよう深夜から除雪作業を開始しますが、状況によっては、除雪作業完了後、このようにツルツル、テカテカに凍結してしまったり、
降雪が続いて、いつまでも除雪が完了しないなんてもことも・・・。
そのような時に活躍するのが、先ほどのクルマ!!
冬期間においても、航空機が安全に離着陸できるよう、滑走路等に積雪や凍結が確認された場合には、空港設置管理者は、雪質、積雪深や積雪の割合等を航空関係機関に情報提供することとされており、その中の重要な項目の一つが、滑走路の滑りやすさを示す「摩擦係数」。
このクルマは、滑走路の摩擦係数を測定する「摩擦係数測定車」〔SFT車(サーフェス・フリクション・テスター)〕なんです。
このクルマ、一見、普通の乗用車に見えますが、実は、四輪車ではなく、「五輪車」。
摩擦係数を測定する「測定輪」が、車体後部の真ん中にあります!
測定時には、普段は上に上がっているこの「測定輪」を下ろし、滑走路を60km/h以上のスピードで走行します。
測定時の測定輪のアップは、こちら♪
航空関係者でも、ほとんど見ることのない激レア画像ですよ!!
摩擦係数の測定操作は、運転席の左側のモニター画面から実施!
測定結果は、こんな感じ♪
滑走路等の摩擦係数が、グラフと数値により表示されます。
この測定結果を、滑りやすさの指標で、摩擦係数0.40以上の「Good」から、0.20未満の「Very Poor」までの6段階に区分された「ブレーキングアクション」に変換し、雪質、積雪深や積雪の割合等とともに、ノータム(NOTAM)という形式で、航空関係機関に情報提供を行います。
このように、航空機の安全な運航等のために、積雪、凍結時の調査方法や摩擦係数測定方法、滑りやすさの指標やそれらの情報提供の方法など、事細かなことまで、すべて国際民間航空機関(ICAO)により定められています。
黄緑色の独特な車体カラーも、同様に、国際民間航空機関(ICAO)により定められたものなんです。
『信州まつもと空港』では、この「摩擦係数測定車」は、滑走路等の積雪、凍結時の摩擦係数の測定の他、朝とお昼に一日2回実施している滑走路点検(ランウェイチェック)のお昼の点検時に車両の点検や職員の運転操作等の習熟のために使用しています。
そのため、毎日、お昼(正午~午後2時頃)頃、滑走路上を走行するこの「摩擦係数測定車」を見ることができますよ~!
また、4月以降、毎月末に開催を予定している「空港見学会」などでの展示も予定しています!
以上、~空港で働くクルマ~シリーズ第1弾は、滑走路の摩擦係数を測定する「摩擦係数測定車」〔SFT車(サーフェス・フリクション・テスター)でした!
空港では、この他にも、とてもたくさんの特殊なクルマが活躍しています!!
~空港で働くクルマ~シリーズは、不定期掲載です。
次は、どんなクルマが登場するのか??
次回を、お楽しみにお待ちください!!
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