11月25、26日の両日、松本市の中央公民館で、今年で3回目となる世界健康首都会議が開催されました。
この会議は、松本市、市医師会、市商工会議所、信州大学、松本大学、三菱総研などが実行委員会を組織し、「健康寿命延伸都市」をめざす松本市から21世紀の健康のあり方を世界に発信するものです。
県も、元気づくり支援金によってこの会議を支援しています。
スイス、ドイツからの報告が同時通訳で行われました。
神戸市、大府市、留萌市の先端医療産業都市などへの取り組みについて報告がありました。
二日目の最後、パネルディスカッションが大変聞きごたえがあって参考になりました。
「健康に生きるとは何か、何によって支えられるか 治療から予防へ ~運動・食・交流・ポジティブシンキング~」という、長いテーマで話し合われました。
世界の平均寿命は、この100年で31歳から70歳へと2倍以上になった。豊かになって長生きが出来るようになったこの世界で、活気ある高齢社会をどう作るかが問われるという問題意識でした。
・(株)ルネサンスの斎藤社長は、ヨーロッパ人の人間らしい生活を見て、楽しんでスポーツをするため、スポーツジムの経営を始めた。現在、会員は、シニア層へ移行している。最近は、予防に関与している。運動をする人、しない人が両極端の社会。健康であれば死んでもいいという状況も。
・厚労省の前の健康局長の矢島氏からは、健康づくりを政府全体で取り組むようになり、成長戦略の中に位置づけられた。健康づくりを「まちづくり」に位置づけるように。地域の特性を研究する必要がある。
・サントリーで健康食品を開発する阿部氏は、日本人もハワイへ移住すると乳がんなどは10倍になったことを知り、エビデンス、安全性がしっかりした特定保健食品を開発している。黒ウーロン茶など。
食は人を良くすると書く。平均寿命の高かった沖縄は、壮絶な実験(?)をしていると指摘。
・松本大学の等々力人間健康学部長は、大学の使命として、新しい産業を生み出すコーディネート役、データの収集をやっている。運動はいやになりすぐやめてしまう。長く続けるには、グループでやるのがよい。
・ドイツで温泉施設を運営するレンさんは、高齢社会の先進国のコスト増を指摘、ボランティアの活用などを提案。
・総括をした三菱総研の小宮山理事長は、小中高大ともに、コミュニティー化が必要、他職種経験者の採用を提案。まとめとして、長寿を含めてモノを量的には持った。家もクルマもいらない。この時代、質をどう上げるかが社会の目標でもあり、ビジネスの目標でもある。社会を動かしていくには、ビジネスにならないとダメ。そのためには、データが大事、異質なものの融合が新しいものを生み出すと指摘。
別室では、健康づくりや健康や医療などの関連機器の展示が行われていました。
デリカのけんきゃくくん JINRIKIのけん引式車いす
健康づくり推進委員会の手作り発表 第一興商によるカラオケの活用
そのほか、松本信用金庫の健康寿命延伸特別金利定期預金の紹介やエプソンのGPS機能で距離や速度を精緻に刻むウオッチなど興味深い展示がありました。
県では、元気づくり支援金でこの会議を支援していますが、「健康先進都市ゼミナール」などを通じて、自治体や事業者、市民への参考になると同時に、世界へ情報発信をしているとのことでした。
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