今回の「地域の知恵袋インタビュー」のお相手は、松本市商工観光部健康産業・企業立地担当部長 平尾 勇さんです。
松本市が掲げる、健康寿命延伸都市・松本の創造は、医療者でもある菅谷松本市長が全国に先駆けて掲げた政策です。その背景には、超少子人口減少型社会が5年後、10年後に加速度的に進展するという社会的背景があります。医療費の増大は、国・地方の財政を圧迫し、健康は、もはや個人の問題ではなく、社会全体の問題となっています。
健康寿命とは、平均寿命とは異なり『元気で暮らしている期間』をさす考え方で、健康な市民が増えることにより、行政コストの削減や健康関連産業の振興により地域が活性化するもので、県においても同様の考え方が求められると思います。
健康づくりには「食事」、「運動」、「社会参加」、「適度な節制」に取り組む必要があり、この分野にはITの活用をはじめ、新たなサービスの提供や介護や健康増進に資する製品開発が必要です。健康寿命延伸による生活の質の向上には、健康づくりと産業力が飛行機の両翼のようになって推進する必要があります。
具体的には、新たな製品開発やサービスの提供に関心がある企業や団体がさまざまなアイディアの実現を図るプラットホームとしての「松本市健康産業推進協議会」を設置し、テーマ毎の分科会を通じて、新商品開発、新サービスの提供や実証実験等を行っています。その際には、松本地域にある県テクノ財団メディカル支援センター、まつもと工業支援センター、信州大学の信州地域技術メディカル展開センター、信州メディカル産業振興会等の支援機関との連携も不可欠です。」とのことです。
健康産業というと、とかく健康器具の開発ととられがちですが、松本市の取り組みの範囲は様々な分野に及び検診と観光を組み合わせた「ヘルスツーリズム」もその一つです。これは、上高地や白骨温泉など松本市が誇る観光資源と検診を組み合わせた、現代の湯治ともいえる新しい旅行商品を開発することによって、健康増進、疾病の早期発見や早期治療、観光産業の振興を同時に図るものです。
また、実証実験に加えて、介護現場のニーズ調査を実施し、来年は、医療現場のニーズや市民のニーズの把握もして行きたいと考えています。
松本地域は、自然環境に恵まれ、観光地としての知名度も高いことから、ヘルスツーリズム等は観光振興の面からも重要な取り組みであると考えます。
また、県の地域発元気づくり支援金を活用した健康都市の情報発信として、健康づくり製品の実証試験や『世界健康首都会議』が今年度も11月25日(月)~26日(火)に開催を予定されています。
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