2013.01.17 [■四季彩だより~信濃の国から~]
<VOL.213>四季彩だより~信濃の国から~
14日から15日にかけての大雪!!
首都圏を中心に交通機関も混乱して大変でしたが、みなさんのところではどうでしたか・・・ 長野市内も久々の大雪となりました。路面は凍結してガッチガッチのツ~ルツル!!
凍えるような寒さの中、足元に気をつけながらの通勤・通学が続いています。
さて、今回はそんな厳寒、酷寒の中でなければなし得ない神秘的な現象の紹介です。
(神の道・・・御神渡り 写真提供:諏訪市)
(湖面を貫く御神渡り 写真提供:諏訪市)
長野県を代表する湖と言えば「諏訪湖」。
長野県中部の諏訪盆地に位置する長野県最大の湖沼で、年間を通じて多くの観光客が訪れています。夏の諏訪湖と言えば何といっても、8月15日に行われる「諏訪湖祭湖上花火大会」で、全国から訪れる数十万人の観客を夢の世界へといざないます。
さて、もう一つ!冬の諏訪湖と言えば・・・
「御神渡り」が見られる湖として、これまた有名です。
氷点下10℃を下回ることも珍しくない県内でも寒さの厳しい諏訪盆地。御神渡りは、全面結氷した諏訪湖の湖面に現れます。
氷は、気温が上がると膨張し、気温が下がると収縮します。昼間に膨張した氷は夜中に収縮して亀裂が入り、この隙間に水が入り込んで薄い氷ができます。
この氷が日中、気温の上昇に伴い膨張し、両側からの圧力により、割れてせりあがり、氷の山脈ができあがります。これが御神渡りと呼ばれる現象で、せりあがった氷の高さは、30㎝から1m以上にもなります。
伝説では、諏訪大社上社の男神である「建御名方命(たけみなかたのみこと)」が下社の女神である「八坂刀売命(やさかとめのみこと)」に会うために通った道と言われており、御神渡りの筋の両端について、諏訪湖の南側(上社側)を建御名方命が下り立ったということで「下座(くだりまし)」、北側(下社側)を上がったところ「上座(あがりまし)」と古くから呼んでいるそうです。
最初に出現した南北方向に走る御神渡りを『一の御渡り』
数日後、同方向に出現したものを『二の御渡り』
東岸から出現し、「一の御渡り」「二の御渡り」と直交しするものを『佐久の御渡り』
と呼び、御渡り拝観の神事では、この3筋の御神渡りを検分しています。
(御神渡りを検分する御渡りの拝観 写真提供:諏訪市)
『御渡り神事(みわたりしんじ)』
八劔(やつるぎ)神社の神事で、一の御渡り、二の御渡り、佐久の御渡りをそれぞれ拝観・検分し、その結果を記録に残します。
神事の概要は次のとおりです。
○御神渡りが出現すると拝観の日取りを決め、氏子総代等の役員は、自宅の戸に注連縄(しめなわ)を張り、質素な生活を送り身を清める「精進潔斎(しょうじんけっさい)」に入り、拝観日に備えます。
○拝観日の早朝、役員等は注連縄を自分の体に掛け、神社でお祓いを受けてから、2組に分かれて御神渡りを拝観・検分します。
○拝観・検分が終わると、注連縄を湖岸の木の枝に掛けて戻り、神前にて奉告祭を行います。
○引続き、その年の作柄、世の中の吉凶、気候等の「年占い」を行います。
○後日、古式にのっとり、御渡注進状を諏訪大社上社へ捧げる注進式を行います。
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