楽園信州

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<VOL.233>I♥信州(あいラブしんしゅう)

■信州の鎌倉へ…目の前に広がる景色に一目惚れ

仕事一筋の生活だった紘さんの退職の記念と慰労をかね、“信州の鎌倉”と呼ばれる上田市の別所温泉を訪れました。

ケイ子さん:「信州への退職記念旅行では、千曲市の杏を見に行こうといって計画したのですが、残念なことに花が散っちゃっててね…。でもせっかく信州まで来たし、“信州の鎌倉”と呼ばれる別所へ行きました。
そのときまで青木村のことはまったく知らなかったんです。青木村は別所温泉の隣にあって、大法寺三重塔という国宝があると聞いて、実際に行ってみたら、『国宝なのに人がいないわね』なんて話しながら(笑)
観音堂は修復中だったから見れなかったんだけど、大法寺のひっそりとした佇まいとか、青木村の“里山”という風景を見て、あぁいいなぁって。」

ケイ子さん:「それから2年くらいかな、田舎暮らしの雑誌を見ていたら青木村の物件が載っていて、観音堂も修復終わっただろうからって、じゃあ観音堂を見がてら物件を見に行こうかと青木村に訪れました。」

紘さん:「私も女房も、もともと田舎暮らしを望んでいました。田舎暮らしの情報紙を見ながらいろんな所を探していたところだったんです。山梨や新潟、長野県内でも野沢温泉とか色々な場所を訪ねました。青木村でも物件を案内してもらいましたが、私達の移住先としては不向きで…。
そんな中、物件を案内して下さった方のつながりでこの古民家と出会いました。
ここは壊す直前だったのですが、太い天井の梁とか昔ながらの雰囲気を見たら、これが壊されちゃうなんて…とせつなくなってしまってね。
その家の持ち主の方に譲って頂けないかと相談したところ、持ち主の方が良い方で、これで良ければどうぞと気持ちよく承諾して下さったので、譲って頂けることになり、お願いしました。
初めは、古民家のあるもともとの土地でそのまま暮らそうと思っていたのですが、持ち主の方が新しく家を建てるということで、この場所に移築したんです。」

ケイ子さん:「移築する土地は、青木村内の何箇所かを見て回ったんですが、最後にここへ来て、この景色を見て即、『ここにしましょう!』と決めたんです。それが2003年の4月だったかな。案内人のみなさん驚かれていましたが、別に無人島に住むわけじゃないし、ずっと暮らしてる方もいるから何の心配もないわ、ってね。
初めは不便なところもあるかもしれないけど、不便なりに楽しもうと思って。
ここは夜になると、お月様が目線で見えるんですよ。もう誰かがいたずらしたんじゃないかと思うくらい!家も理想とぴったりの家だったし、本当に良いところに巡り合えました。」


「お食事処 恵」からは青木村~上田平が一望!

あっという間のスピードで、家と土地を決めた遠藤さんご夫妻。
2003年9月に思い出の詰まった相模原市の食事処を閉め、その年の11月、青木村での生活をスタートさせました。遠藤さんご夫妻が青木村に移住されたことで、家族で集まる機会や雪の日には心配して電話をくれたりとコミュニケーションが増えたそう。 移住をきっかけに夫婦の絆だけでなく、家族の絆も深くなり、ご夫妻の新たな思い出が積み重なっています。

■心を込めてお料理を・・・お客様に合わせて一膳一膳コーディネート

現在遠藤さんご夫妻は、相模原で開いていた食事処の経験を生かし、青木村で、お食事処「恵」を開いています。お店は、4月~11月までの金・土・日曜日の営業で、1日1組限定。
10品のコース料理で、なるべく地元のものを、と青木村で採れた野菜を使って作っています。
お客様は女性の方が多く、ご両親の還暦のお祝いや結婚のお互いの家族との顔合わせなど、慶事で利用する方も。ハレの日には、お赤飯や鯛そうめんなど少し特別なお料理にしたりと、ケイ子さんはお客様に合わせてお料理をコーディネートしています。そして、「1日1組限定」にはこんなこだわりが…。

ケイ子さん:「準備から配膳からすべて私がやっているので、人数が多くなるとどうしても出すことに精一杯になってしまって、美味しいものを作ってお出ししよう、っていう、自分の気持ちにゆとりがなくなってしまうんです。
お料理も一斉に並べるんじゃなくて、コース料理なので、食べ終わったら出して…となると、大体3~7人くらいが私が自分で出来る範囲。
それに私自身器が好きなので、お客様一人ひとりに合わせて、器も少し変えてお料理をお出ししてるんです。『あのお客様は今日この色のお召し物だから、じゃあこの器が合うな』とかね。
器のコーディネートも自分の楽しみのひとつなのですが、お客様もとても喜んでくださるので嬉しいですね。」


景色を見ながらの食事はより美味しい!
ケイ子さんの一膳のコーディネートはお客様の心を掴んでいます。
お箸を留めている「恵」の巻紙もかわいいです。

紘さん:「若い頃から女房より「将来は山とか海とかの近くで民宿とかやりたい。」と聞いていました。
私が定年まで無事に過ごすことが出来たのは全て女房のおかげ。だから定年後は、女房の夢を実現するのが私の努めだなと思ってね。女房の夢を支えるため、私は掃除とか、皿洗いなどを手伝って、応援しています。」
遠藤さんご夫妻は、お互いのことを尊重し合い、目線の向かう先も同じ。
「お互いが同じような方向を向いていれば何かあっても大丈夫」と語る紘さんの言葉がとても力強く印象的でした。

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