楽園信州

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<VOL.245>I♥信州(あいラブしんしゅう)

志野さん:「お客様から『この野菜作れない?』って言われたらなるべく作るようにしています。ルバーブのジャムを作ってみたいから、ルバーブを作ってほしいとかね。
一般的な野菜セットの宅配といえば、じゃがいも・にんじん・玉ねぎ…みたいに決まった野菜を決められた量だけ詰め合わせることが多いと思うのですが、私たちの野菜セットはお客様それぞれの好みに合わせた完全オーダーメイド。
“この野菜はあんまり…”と言われればセットから抜くし、“この野菜が美味しかったからたくさん入れて”と言われれば多めに入れる。電話で注文受けたときや、配達にいったときに要望を聞いて、家族の人数や好みに合わせてお届けしています。
だから、私たちの畑というより自分の畑のように思ってくださる方が多いですね。」


ご夫婦二人の所には、量は少ないけど種類を多く、人数の多いご家族には、種類は少ないけど量を多く…と、消費者のニーズに合わせたスタイルは、お客様からも好評。オーガニックファーム「やじろべえ」の野菜セットには、届ける野菜がどんな野菜なのか・どんな料理方法が向いているかをひとつひとつ記したチラシ、『NORA』を入れています。
志野さんの奥様が手書きで作ったもので、一枚の中にはイラストを交えながら、野菜の情報がびっしりと書き添えられています。こうした志野さんご夫妻の姿勢が、消費者のみなさんの信頼に繋がっているのです。


「冬はやっぱりみかんを食べたい
お客様が多いから」と熊本の有機農家
から取り寄せて野菜セットに詰めています。

志野さん:「それぞれのお客様に合わせてセットを作っているので、みなさんのそれぞれに思い入れがあって、お客様と長くお付き合い出来ていることが本当に嬉しいです。
あるお客様が“孫はここのトマトしか食べないんだ”と言ってくださったときがあって…それは嬉しかったですね。
有機農業家としてここまでやってこれたのも、人とのつながりがあったから。
また、辰野町の皆さんにも、農業を始めるにあたり、家や土地を探すにあたりと大変お世話になりました。良い地元に入れてもらったなと思っています。」

<移住を考えている方に向けてメッセージ>

最後に、志野さんから移住を考えている方に向けてのメッセージをお聞きしました。


志野さん一家の愛犬・リクちゃん

志野さん:「移住先で農業をやりたいという方は、県の農政課や各地域の就農案内人に問い合わせてみるのが良いんじゃないでしょうか。あと、都会での生活方法や考え方をそのまま田舎に持って来るのは考えものですね。

例えば、トラクターが家の前をドロドロのタイヤで通って掃除もしないと、苦情を上げる方もいるのですが、元々トラクターはその道を通ってたんですよ。住んでる村の人の生活は変わらないのに、それを一方的な都会の考えで苦情にするのはちょっと違うんじゃないかなと思います。
都会の判断基準でものを考えないこと、そこを理解して気をつければあとはなんとかなります。」

志野さん:「よく信州は寒いって言われるけど、寒さには慣れます。一番初めに引っ越したところは昔の文化住宅みたいなところで、窓が凍りついて開かなくなるくらい寒かったんですが、それも一年すれば慣れましたから。単にインターネットの情報だけじゃわからない。足を運んでその土地の人たちと直接話しをすることで、良いところも悪いところも自然に見えてきます。とにかく足を運ぶこと。

情報を眺めて考えていても始まらないし、いつまでたっても決められないですよ。」

志野さんが現在住んでいるご自宅は、自身で建てたログハウス。ボランティアを募り、一年かけて形にした自慢の家です。
里山に佇む志野さんのログハウスは、自然の流れに沿って徐々に周りの景色に溶け込んでいきます。

「家造りに興味のある人は結構いるので、声をかければ集まってくれると思います。このログも沢山の人の力を借りました。完成するまで後2・3年くらいはかかるとおもいますけど妻と二人でのんびりと楽しみながら造ります。」と笑いながら話す志野さんは、エンジニアではなくすっかりファーマーの顔。

今、信州は秋から冬の季節へと足早に移ろい、辺りはすっかり冬景色。
新しい芽吹きの季節に向け、理想の農業に取り組む志野さんのチャレンジはこれからも続きます。
温かみのある辰野町で、志野さんの暮らしのサイクルはゆっくりと回り続けます。

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