2014.02.27 [■I ♥信州(あいラブしんしゅう)]
<VOL.249>I♥信州(あいラブしんしゅう)
大地に根を下ろし、明るい農村を作る(2)
「I♥信州」は、長野県外から信州へ移住された方に、移住のきっかけや信州での暮らしの様子をお伺いし、長野県の魅力をさらに伝えていこうというコーナーです。
第20回目のI♥信州は、2009年に東京都東村山市から小川村に移住された大沢収(シュウ)さん・綾子さんご夫妻にお話をお聞きしました。
前編では、大沢さんが小川村に移住されるまでの経緯をご紹介しましたが、後編では「麦ダンス農園」での有機野菜作りや小川村での生活の様子、また移住を考えている方へのメッセージなどをご紹介します。
<農業は自分と向き合い、自然と向き合い、人と向き合い、時に厳しく、清々しい>
大沢さんは現在、自身の農園『麦ダンス農園』で有機農業に取り組んでいます。
自身の農園を開く前にNPOスタッフから紹介された中野市の有機栽培農家で、約3年間働きながら農業を目指す二人の研修仲間と共に、有機栽培に関する知識を深めつつ、小川村の自身の畑でも学んだ知識を実践する試行錯誤の日々が続きました。
しかし、自然相手の農業は、臨機応変に日々の作業の中身が変わり、また人それぞれのやり方、独自のスタイルが確立されています。
大沢さん:「僕がいろいろと教わってお世話になった農家の方は、ちょっと個性的な方でした。
研修を受けている最中は、反面教師のような一面もあって、この方の農業の仕方は自分には無理だな~と思ってしまうくらい。個性的で職人気質の方ですが、不思議と取引先の方には信頼されていて…普通こんなことしたら次の取引はないんじゃないかと思うことでも、それをつなぎとめる魅力がある人なんですよね。最初は反面教師だと思っていたのに、月日を経て自分もだんだんと似てきているので、本当に不思議です(笑)」
大沢さん:「僕が独立するときに、販売先の面倒をすごく良く見てくださいました。
その方は、自分を犠牲にしてでも弟子を独り立ちさせるんだ、みたいな心意気を持っていた方でした。たぶん長野県中を探してもこういう方はいないだろうなぁと僕は思っています。
今も頻繁に連絡を取り合っていますし、独立した後も良い関係を続けていられるのが嬉しいです。
この方と出会っていなければ、僕は農業に携わっていないと思います。」
大沢さんが自分の畑に付けた名前、『麦ダンス農園』。
そこには、大沢さんが農業を志す原点にもなった、埼玉県小川町のビール醸造所で目にした麦穂の揺れる姿が映し出されています。
初めに育てた野菜はズッキーニとインゲン。
無事取引先の方にも買ってもらうことができ、農業の喜びをあらためて感じました。
自身が育てた作物に評価が付き、それを食べてくれるお客様がいること…趣味の範囲を超えてきちんと仕事として農業が完結したことに感慨もひとしおです。
野菜選びのプロでもある取引先の方々に「美味しい」と言ってもらえたことで、自信にも繋がっていきました。
畑と遠くに見える冠雪の山々…この自然の中、様々な作物が育まれています。
写真右上・下:麦ダンス農園で育ったインゲンとズッキーニ
(写真提供:麦ダンス農園)
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