2014.10.11 [ 自然・山・花 ]
物思う秋の日に【井月さんのこころ81】
今回の御嶽山噴火も活きている地球の一瞬の出来事かもしれません。
地球の周りを楕円軌道で回っている月も、地球からの距離は一定でなく平均距離約38万4400キロメートルで、毎年3.8センチメートルずつ遠ざかっている(遡回その77)のだそうですが、そんなことを科学の発達で知りえた人類であっても、未だ火山噴火の予知は「神のみぞ知る」の世界なのですね。
2014年9月13日 露の音に 【井月さんのこころ77】
https://blog.nagano-ken.jp/kamiina/nature/6440.html
台風18号の接近で二次災害が心配された御嶽山ですが、台風は何とか無事に過ぎ去って、残る安否不明者(10日午後現在8名)の捜索が自衛隊・警察・消防によって懸命に続けられています。巨大な台風19号が近づいており心配です。
6日(月)は旧暦9月13日「十三夜」すなわち「後の月」、「芋名月」でしたが、台風の名残の雲の中に時々顔を出していました。
井月さんは、こう詠みます。
芋ほりに雇はれにけり十三夜 井月
さらに、
誰やらが身を泣きしとや秋の月 井月
この句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、
「誰かさんが身の上をはかなんで泣いたとか」と、とりとめのない上二句だが、秋の月を配して詩になる。「去年見てし秋の月夜は照らせれど相見し妹はいや年さかる 柿本人麿」は万葉集の、「月見れば千々にものこそかなしけれ我が身ひとつの秋にはあらねど 大江千里」は古今集の歌。
人生の寂しさ、人間存在の哀れさ、秋は物思いの限りを尽くす。
(月・秋)
7日(火)は、台風一過で十四日の月が煌々と輝いていました。満月の前日で「来たるべき人を待つ宵」という小望月(こもちづき)。
芋月夜仰ぎし妹と昨夜(きそ)の空 青巒
木曽御嶽(おやま)にぞ照る小望月 朴翆
8日(水)は二十四節気の「寒露」で、「大安」で「満月」で「皆既月食」なのでした。
この満月では約1時間(19:30頃~20:30頃)に亙って見事な皆既月食が見られました。
写真:寒露の満月に地球の影が(19:07) 伊那中央病院の上に月食の月(19:20)
吾亦紅相見し妹は去年(こぞ)の秋 青巒
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