林務課 普及係です。
上伊那では地域の方々が主体となって、里山の保全と利活用を目的とした「里山整備利用地域※1」に認定された地区が20箇所あります。
その中の一つ、伊那市上牧地区で上牧里山づくりさんが開催した勉強会の様子をご紹介します。
この地域は伊那市の北部。伊那北小学校が近くにある河岸段丘林「上牧里山自然パーク」として平成27年に設立され、地元はもとより他の地域の方々も訪れる自然豊かな場所です。
この上牧里山づくりの皆さんは、上牧里山自然パークが安全に親しんでもらえるようフットパスの整備をはじめ、小学生と学校林整備、炭焼き、きのこの駒打ちなど多彩な活動をしています。
上牧里山づくりのブログ
しかし、近年このパーク内で毎年ニセアカシアの倒木が発生することや、繁殖力の強いニセアカシアの稚樹の除去に頭を悩ませてるとの事。
上牧里山づくりの唐木代表が「このニセアカシアをどうしたらよいのか。そのためにも生態を地域の皆さんにも知ってほしい」とのことから勉強会を開催することとなりました。
倒木の危険があるニセアカシア!!
林の中にはニセアカシアの稚樹が・・
講師は当課の林業普及指導員(通称:AG(エージー)※2)と呼ばれる職員で、森林・林業に関する様々な相談を受けたり技術指導を行っています。今回は今までの知識と更に色々な書籍を調べて勉強会に望みました。
勉強会は平日の午後6時から地区の公民館で開催し、時期的に昼間は稲刈りをしていたという方もいらっしゃり、忙しい中16名の方に参加していただきました。
勉強会では、ニセアカシアはどんな特性を持った植物なのかなど、生態を学ぶところから始まり、上牧里山自然パークをどんな里山にしていくかの目標を考えてもらう内容で進めました。
講義内容の一部
・ニセアカシアは生態系被害防止外来種に指定されており繁殖力が強い植物。しかし根は浅く、年数が経つと倒れやすいという特性もある。
・伐採するだけでは、ニセアカシアの除去は難しい。その場所にあった駆除方法を組み合わせ、根気よく駆除作業を続けることが必要。 などなど
講義後の意見交換では
・ニセアカシアは蜜源としては重要。もし養蜂家の方がいれば話し合いをしなければならないのでは。
・昔ニセアカシアは所有者の境界として植えたという話もある。
・他の地域ではニセアカシアをどう活用しているのだろう。
などの意見・質問があり参加された方も興味を持っていただきました。
上牧のニセアカシア対策はこれから始まります。地域の方が里山を皆さんで活用できるよう、これからも活動を支援していきたいと思います。
※1 長野県ふるさとの森林づくり条例で認定する里山を整備及び利用しようとする地域。
県内では令和5年4月現在で106地域あり、上伊那地域では全ての市町村に認定された地域があります。
※2 森林・林業に携わる方に対して技術及び知識の普及や、森林の施業に関する指導、試験研究機関の研究成果を現地に普及するなどを行う、一定の資格を持つ都道府県の職員です(AGはAgentの略)。
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