2021.10.08 [ 地域振興局 ]
「ユニバーサルツーリズム推進セミナーin伊那谷」が開催されました!
こんにちは!商工観光課です。
9月30日、(一社)伊那谷観光局主催の「ユニバーサルツーリズム推進セミナーin伊那谷」に参加してきました。
こちらは、「高齢者や障がい者を含むすべての人たちが旅を楽しめる地域づくり」のために同観光局が行っている、ユニバーサルツーリズム普及啓発活動の一環として開催されたもの。主に行政の観光担当者等が集まり、上伊那地域での受け入れの心構え醸成やおもてなし力の向上を目指しました。
舞台は上伊那を代表する観光地「高遠」!
高遠さくらホテルから見た高遠湖(ダム湖) 春には桜が湖面に映ります
第1部として高遠さくらホテルにおいて基調講演が行われた後、第2部ではホテル横のほりでいドームや高遠城址公園にて疑似体験を行いました。
基調講演の講師はオフィス・フチの渕山知弘氏と、ユニバーサル・サポートすわ(以下ユニサポすわ)代表の牛山玲子氏。業界の第一人者による豪華二本立てです!
渕山さんからは、「誰もが訪れる伊那谷に向けて」と題し、ユニバーサルツーリズムとは何か?という基本中の基本からお話をいただきました。講演の中では、視覚障がい者の方向けの自動車運転体験ツアーなど実際の取り組み事例も紹介され、その際の「『できない理由』を考えるのではなく、『どうやったらできるか』を考える」という言葉には、ユニバーサルツーリズムの神髄を垣間見た気がしました。(オフィス・フチ HPはこちら)
ところで皆さん、ユニバーサルツーリズムとは何かご存じですか?
観光庁のHPには、「ユニバーサルツーリズムとは、すべての人が楽しめるよう創られた旅行であり、高齢や障がい等の有無にかかわらず、誰もが気兼ねなく参加できる旅行を目指しています。」との記載があります。(観光庁HP)
「高齢だから…」「視覚が弱いから…」などと気兼ねすることなく、誰もがやりたいことを思い切り楽しむことができる、ユニバーサルツーリズムとはそういった取り組みなのだと感じました。
続いて牛山さんからは、「誰だって出かけたい~あきらめない人生(たび)のお手伝い~」として、ユニサポすわによるサポート事例として、入浴・外出サポートのほか結婚式の介助など、旅行に限らない生活支援の事例をご紹介いただきました。牛山さんは、ご自身も脳梗塞による療養期間を経験したことから、このユニサポすわを立ち上げたとのこと。通常の生活を支える「ユニバーサルサポート」の延長に「ユニバーサルツーリズム」があることを学びました。(ユニサポすわFacebookはこちら)
そして第2部の疑似体験。まずホテル横のほりでいドームに向かうところから、体験は始まっていました。二人一組になり片方が黒いアイマスクを着用、もう一方がホテルからドームまで案内するというもの。これは目の不自由な方の疑似体験です。
私はアイマスクを着用する側となったのですが、視覚が奪われるのには想像以上に恐怖を感じました。私の場合、案内してくれたペアの方が詳細に道の状況を説明してくださったので、転倒することはありませんでした。しかし、場合によっては少しの段差でも躓きかねません。目の不自由な方に対しては、案内役の人との信頼関係や周囲の理解が必要なのだと体感しました。
続いては、車いすによる疑似体験。実際に車いすに乗ったり、押したりしながら車いす利用者の方の目線での実習を行いました。そこで活用したのが、「JINRIKI」。「人力」車のことではありません。こちらは、車いすの前輪を持ち上げて引く、けん引式の車いす補助装置です。今ある車いすに取り付けるだけで、砂利道や芝生の上、さらには階段まで、車いすでは通行困難な場所でのスムーズな移動が可能になります。(詳しくはこちら)
車いす前方に取り付けられているのが「JINRIKI」
高遠城址公園での模擬体験の様子
実際にJINRIKIを使用してみると、てこの原理によりとても軽い力で車いすを移動させることができました。株式会社JINRIKI 中村代表取締役社長によると、観光地での移動はもちろん、災害時の避難にも活用可能とのこと。一刻を争う場面でJINRIKIが活用できれば、救える命も増えるかもしれません。
この記事をきっかけに皆さんに「ユニバーサルツーリズム」について少しでも興味をもっていただけましたら幸いです!
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