2013.09.03 [ 地域振興局 ]
「この水はどこから来るの?」 ~春富水路親子観察見学会~
頭首工はファブリダムと呼ばれ、空気でゴム風船のように膨らませて水を堰き止めるタイプで、この周辺では一番最初にこの手法を取り入れた施設だそうです。
「鞠ヶ鼻」と呼ばれる昔の水路跡へやってきました。
春富の用水路は、今から358年も前に佐久から柳沢弥左衛門をまねき計画・工事されたのが始まりですが、この鞠ヶ鼻で崖崩れおき第1回目の工事は失敗に終わりました。
それから159年後に第2回目の工事が行われましたが、この難所のためお金がなくなり工事をあきらめました。
その後、今から182年前に伊東伝兵衛(現在の伊那市長谷)により再々度工事が行われ、やっと完成したそうです。伊東伝兵衛は私財を投じて成し遂げたこともあり、この水路は「伝兵衛井」とも呼ばれたそうです。
現在は使われていませんが、今も難所であった鞠ヶ鼻には水路の跡が残っています。
いよいよ三峰川へやってきました。
春富幹線用水路の取水施設は、なんと髙遠ダムの中にありました。
髙遠ダムは昭和33年に完成したダムで、かんがい(農業用水)と発電を目的としたダムです。
髙遠ダムの管理室では、施設の監視や水量を調整するための機械が並んでいました。
ここでは、遠隔操作の監視カメラにより監視しています。「みなさん、悪さしないようにお願いします。」
この他にも、新山川から取水している上井の取水工や、三峰川の右岸側へ水を流すための虹橋(水路橋)なども見学し、水路親子観察見学会は終了となりました。
家の近くで、当たり前のように目の前を流れている川の水ですが、昔から人の力により苦労して運ばれて来ていることを、大人も子供も感じる事が出来たのではないでしょうか。
最後に、伊那市春富土地改良区から見える田園風景です。
いつまでもこんな風景が残されればいいですね。
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