2014.12.27 [ 歴史・祭・暮らし ]
年の暮れに 【井月さんのこころ92】
(もちつきやはずかしながらむことよめ)
この句の評釈について、井上井月研究者である竹入弘元氏の「井月の魅力 その俳句鑑賞」(ほおずき書籍)から引用させていただくと・・・、
餅搗は、年末の楽しい行事だ。四升餅を五臼も搗くと大忙し。二十八日か三十日。この若夫婦は今年結婚したばかりで二人での餅つきは初めて、恥しながら婿と嫁、餅搗には、杵を持ってまずこねて、次に振り上げて搗く。嫁が手返しをして水をつける。呼吸が合わないと手を打ってしまう。
「恥しながら」にういういしさがある。
(餅搗・冬)
昨年のこちらの記事もご覧ください。
2013年12月28日 餅搗く頃【井月さんのこころ41】
https://blog.nagano-ken.jp/kamiina/life/138.html
様々な出来事があった午歳が暮れようとしています。御嶽山噴火では、死者57名、重傷27名、軽傷32名という大きな人的被害が発生してしまいました。依然として6名の行方不明者が残されており、捜索は来年の雪解けを待つことになります。
御嶽から術なき声や虎落笛 青巒
(おやまからすべなきこえやもがりぶえ)
午歳の名残の空や安らけく 青巒
(うまどしのなごりのそらややすらけく)
御遷宮の歳でもありました。瑞穂の国の神様に来年の未歳は佳い歳にしてくださいと祈るばかりです。
常若に遷宮歳は極まれり 青巒
(とこわかにせんぐうどしはきわまれり)
「春日愚良子句集」から
仮の世を現に酔うて年暮るる 愚良子
(かりのよをうつつにようてとしくるる)
どうぞ佳いお歳をお迎えください。
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