2013.07.16 [ 歴史・祭・暮らし ]
”幸せ”ブータンと信州~ 信州グローバルセミナー2013
魅力発掘探検隊(歴史・祭り・暮らし班)のIです。
昨年12月に続き、JICA(国際協力機構)駒ヶ根で開催された「信州グローバルセミナー2013」へ参加してきました。今回も気づき、学ぶことの多い充実の内容でしたので、この場をお借りしてご紹介させていただきます。
オープニングは、仁田 知樹所長さんによる講演。
仁田所長さんは昨年暮れまで3年半ブータン事務所長として現地で勤務されました。そこで経験された”世にもユニークな国 ブータン”の姿について、県内各地で講演をされています。(ブータンの民俗衣装がとてもお似合いです!)
所長さんの考える国際交流の意味、目的とは「幸せを分かち合うこと」にある、との趣旨から、”国民全体の幸せを大真面目にめざしている国”ブータンのお話をいただきました。
(講演の要旨)
ブータンは中国とインドにはさまれた小さな国で、面積は九州ほど、人口は約70万人、一人当たり年間国民所得は約20万円、山と谷と農村風景の国です。国民の大多数が敬けんなチベット仏教徒、お米ととうがらしが主食の世界一辛い食事、いつも民俗衣装が国のルールです。
ブータンのユニークさは様々ありますが、一番は、王様からの提案により王制から民主制が実現した稀有の国であること、そして’70年代からGNP(国民総生産)よりGNH(国民総幸福)を国の政策の基本目標としている点です。憲法では第9条でGNHが掲げられ、GNHの4本柱により72の指標の充足(最大化ではない)が目指されてきました。たとえば、家族と過ごす時間、心と身体の健康、教育、生態系、文化の多様性、地域(コミュニティー)の活力、良い統治(グッドガバナンス)などです。
2005年度の国勢調査では、97%の国民が「自分は幸せである」と感じていることが報告され、世界中が驚きました。
2011年7月の国連総会で「幸せ(Happiness)」が国連のアジェンダ(行動目標)となり、今年より3月20日が「国連幸福デー」に制定されたそうです。経済成長は指標のひとつであり、めざすものは国民一人ひとりの幸せである、というブータンの「幸せ」が世界のテーマとなりました。
本県がこれからめざす姿「長野県総合5か年計画~しあわせ信州創造プラン」の概要についてもご説明いただきました。
午前のセッション1は講座A、JICA企画部の名井 弘美さんより、ミレニアム開発目標(MDGs)(2000年9月の国連ミレニアムサミット宣言に基づく、世界の貧困削減のための枠組みと達成目標)の進捗状況とJICAの取組み、という、「地球規模」の課題を短時間でわかりやすく(お得に!)説明いただきました。
このブログへの取材依頼や情報提供、ご意見・ご要望はこちら
上伊那地域振興局 総務管理課
TEL:0265-76-6800
FAX:0265-76-6804